不動産投資に活用できる?残余財産とは
先生、「残余財産」って、確定給付企業年金とかが解散した時のお金のことですよね?具体的にどんな場合に発生するのか、もう少し詳しく教えてください。
いい質問ですね。例えば、あなたが将来、A社に勤めていて、A社が確定給付企業年金に加入していたとします。ところが、A社が経営不振で倒産し、年金制度も解散することになったとしましょう。このような場合に、積み立てられていた年金資産から、年金債務の支払いに充てられ、それでも残ったお金が「残余財産」になるのです。
なるほど。つまり、会社が倒産しなくても、年金制度が解散することになったら発生する可能性もあるんですね!
その通りです。最近は、企業の合併や事業再編に伴い、年金制度が解散することもあります。残余財産は、いわば年金制度の「残り物」のようなものですが、将来受け取れる可能性もあるお金なので、覚えておきましょうね。
残余財産とは。
「残余財産」とは、会社が従業員に給付する年金制度である確定給付企業年金や、厚生年金基金が解散した場合、加入者への支払いが終わった後に残るお金のことです。厚生年金基金の場合、この残余財産は年金資産から最低責任準備金を差し引いた金額になります。この残ったお金は、加入者自身がどのように受け取るかを選択することができます。(1)一時金として全額受け取る(2)企業年金連合会に移して年金として受け取る(3)個人型年金(iDeCo)に移す、のいずれかの方法を選ぶことができます。
残余財産とは何か?
残余財産とは、簡単に言うと、亡くなった人の財産を相続する人が誰もいない場合に、国に帰属する財産のことです。
もう少し詳しく説明すると、日本には「相続」という制度があり、亡くなった人の財産は、配偶者や子どもなどの一定の親族が相続するのが一般的です。
しかし、相続人が全くいなかったり、相続人がいても相続を放棄する場合は、その財産は最終的に国に帰属することになります。これが残余財産です。
残余財産は、不動産、預貯金、株式、貴金属など、あらゆる種類の財産が対象となります。
発生のメカニズム
残余財産とは、簡単に言えば、企業の本来の事業活動から生まれた利益を超えて、不動産や株式などの価格上昇によって生じた含み益のことを指します。
具体的には、企業が保有する資産を売却した際に、帳簿上の価格(簿価)と実際の売却価格の差額がプラスになった場合、その部分が残余財産として認識されます。
例えば、バブル期に取得した土地を保有し続けている企業の場合、帳簿上の価格は取得当時のままですが、地価上昇により実際の価値は大きく上昇している可能性があります。この時、土地を売却すれば、その差額が大きな残余財産として計上されることになります。
残余財産の受け取り方
残余財産を受け取るためには、まずは相続手続きを行う必要があります。相続の開始から3か月以内に被相続人の最後の住所地の管轄の税務署へ相続税の申告と納付を行います。その後、遺産分割協議が成立したら、金融機関での口座解約や不動産の名義変更といった手続きを経て、残余財産を受け取ることになります。預貯金や株式などの有価証券の場合、名義変更の手続きが完了すれば、残余財産を受け取ったとみなされます。不動産の場合は、不動産の名義変更が完了した時点で残余財産を受け取ったとみなされます。
不動産投資に活用するには?
残余財産を不動産投資に活用するには、まず、相続によって取得した財産であることを証明する書類が必要です。 具体的には、遺産分割協議書や相続税の申告書などが該当します。これらの書類を金融機関に提出することで、残余財産を担保としたローンを組むことが可能になります。
不動産投資は、ローンの返済が長期にわたるため、安定した収入源を確保することが重要です。残余財産を活用する場合は、相続によって得た他の財産からの収入や、自身の職業による収入などを考慮し、無理のない返済計画を立てるようにしましょう。
また、不動産投資は、空室リスクや金利変動リスクなど、様々なリスクを伴うことも忘れてはなりません。残余財産を投資に活用する際は、これらのリスクを十分に理解した上で、慎重に判断することが大切です。
メリット・デメリット
– メリット・デメリット
残余財産を不動産投資に活用するにあたっては、メリットだけでなくデメリットも理解しておく必要があります。
メリットとしては、相続税の節税効果が期待できる点が挙げられます。残余財産は、通常の相続財産よりも相続税評価額が低く抑えられるため、相続税負担を軽減することができます。また、残余財産は、通常の相続財産と比べて、換金性が低いという特徴があります。そのため、すぐに現金化する必要がなく、長期的な視点で運用することができます。
一方で、デメリットとしては、残余財産の評価額が変動する可能性がある点が挙げられます。残余財産の評価額は、不動産市況や金利動向などの影響を受けるため、将来的に評価額が下落する可能性も否定できません。また、残余財産は、法律や税務の専門知識が必要となる場合があり、専門家への相談費用などが発生する可能性があります。