セラーファイナンスとは？メリット・デメリットを解説
投資初心者
先生、「セラーファイナンス」ってどういう意味ですか？
投資研究者
良い質問だね！ セラーファイナンスは、不動産を買う人が銀行からお金を借りられない時、売主が代わりにローンを組んであげる仕組みだよ。
投資初心者
へえー、銀行でお金を借りられないのに、どうして売主が代わりに貸してくれるんですか？
投資研究者
例えば、買い手がなかなか見つからない時、売主は早く売却したいと考えるよね。そんな時に、セラーファイナンスを利用すれば買い手が見つかりやすくなるメリットがあるんだよ。もちろん、金利は銀行よりも高めに設定されることが多いけどね。
セラーファイナンスとは。
不動産投資の世界で、「セラーファイナンス」という言葉を耳にすることがあります。これは、売主が買主に対して、物件価格の一部を貸し出す仕組みのことです。銀行などからローンを受けにくい買主や、物件が売れにくい買い手市場の際に利用されることが多いです。ただし、売主からお金を借りる場合には、銀行から借りるよりも高い金利を設定されるのが一般的です。
1. セラーファイナンスの概要：売主が銀行代わり？
– 1. セラーファイナンスの概要売主が銀行代わり？
セラーファイナンスとは、事業や不動産などの売却時に、売主が買主に対して融資を行う取引形態です。
通常、事業や不動産を購入する際には、銀行などの金融機関から融資を受けますが、セラーファイナンスでは、売主が銀行の役割を担い、買主へ分割で売却代金を回収します。
つまり、従来の金融機関を介した融資とは異なり、売主と買主の間で直接、資金の貸し借りが行われる点が大きな特徴と言えるでしょう。
2. セラーファイナンスのメリット：購入者・売主それぞれの立場から
セラーファイナンスは、買主と売主双方にメリットをもたらす可能性があります。ここでは、それぞれの立場から、どのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
– 購入者のメリット
* -銀行融資が難しい場合でも事業取得の道が開ける- 銀行の融資審査は厳しく、特に新規事業や中小企業の場合、融資を受けられないケースも少なくありません。セラーファイナンスは、銀行融資の代替手段として、事業取得のハードルを下げる効果があります。
* -柔軟な返済条件で資金調達が可能- 銀行融資と比べて、返済期間や金利、担保などの条件を、売主と交渉して柔軟に設定できる可能性があります。
– 売主のメリット
* -早期売却・高値売却の可能性が高まる- 事業売却を希望しても、買い手が見つからない、あるいは希望価格での売却が難しい場合があります。セラーファイナンスは、購入希望者にとって魅力的な条件となるため、早期売却や高値売却に繋がる可能性があります。
* -売却後も事業への影響力を残せる- 単に事業を売却して終わりではなく、分割払いによる売却代金の受取を通じて、一定期間は事業への影響力を残すことができます。また、事業の引継ぎ期間を設けることで、スムーズな事業承継を進めることも可能です。
3. セラーファイナンスのデメリット：リスクと注意点
セラーファイナンスは、買い手にとって資金調達のハードルを下げ、売り手にとっては早期の現金化や高値売却の可能性を広げるなど、双方にメリットがある資金調達方法です。しかし、メリットばかりではなく、いくつかのデメリットと注意すべき点も存在します。
まず、売り手にとって最大のデメリットは、買い手が期日通りに支払いをしない、つまり貸し倒れのリスクが挙げられます。従来の銀行融資とは異なり、個人間の取引となるため、資金回収の保証は確実とはいえません。また、契約内容が複雑になりやすく、思わぬトラブルに発展する可能性もあります。
さらに、売却までに時間がかかる点もデメリットとして挙げられます。分割で支払いを受けるため、一括で売却する場合に比べて資金回収に時間がかかり、その間の資金運用が制限される可能性もあります。
これらのリスクと注意点を踏まえ、セラーファイナンスを利用する際は、弁護士や税理士などの専門家のアドバイスを受けるなど、慎重に進めることが重要です。
4. セラーファイナンスが利用されるケース
セラーファイナンスは、あらゆる場面で利用できるわけではありません。一般的に、以下のようなケースで利用されることが多いです。
* 買い手が銀行融資を受けにくい場合起業したばかりで実績のない企業や、事業再生中の企業などは、銀行から融資を受けにくいことがあります。このような場合、セラーファイナンスを利用することで、資金調達の道が開ける可能性があります。
* 売主が事業承継を円滑に進めたい場合後継者が見つからず、従業員に事業を承継させたい場合などに、セラーファイナンスは有効な手段となります。従業員は、事業で得た利益から、分割で売却代金を支払うことが可能になります。
* 売主が早期に現金化したい場合売主は、セラーファイナンスを利用することで、事業売却による収入の一部を早期に現金化できます。ただし、金利を設定することで、将来的に受け取る金額は増加します。
上記以外にも、売主と買い手の双方が合意すれば、さまざまなケースでセラーファイナンスを利用することができます。
5. セラーファイナンス契約時の注意点：専門家への相談を忘れずに
セラーファイナンスは、当事者間で柔軟な条件設定が可能である点が大きな魅力ですが、一方で、契約内容によっては思わぬリスクを負う可能性もあります。
特に、金利の設定や返済期間、担保の有無など、金融取引として複雑な内容を含むため、専門家である弁護士や税理士に相談することが非常に重要です。
彼らは、契約内容が法的・税務的に問題ないかを確認し、必要に応じて修正案を提示してくれるなど、売主・買主双方にとって安全な取引を実現するためのサポートをしてくれます。
セラーファイナンスを検討する際には、専門家への相談を費用と捉えるのではなく、将来のリスク回避のための投資と考えるようにしましょう。