投資初心者
先生、「検査済証」って、どんなものですか？
投資研究者
いい質問ですね。「検査済証」は、簡単に言うと、建物が法律に基づいて正しく建てられましたよ、という証明書のようなものです。家を建てるときには、必ず建築基準法という法律に従わなければいけません。完成した建物が、この法律通りに建てられているかを検査して、問題なければ「検査済証」が発行されるんです。
投資初心者
なるほど。じゃあ、すべての建物に「検査済証」は発行されるんですか？
投資研究者
実は、必ずしもそうとは限りません。古い建物の中には、まだ「検査済証」の制度が始まる前に建てられたものもあるんです。それに、違法建築物のように、法律違反を承知で建てられた建物には、「検査済証」は発行されません。不動産投資をする上では、「検査済証」の有無は重要なポイントになりますね。
検査済証とは。
不動産投資でよく聞く「検査済証」について説明します。「検査済証」は、建築基準法第7条第5項に基づいて発行される書類で、建築物と敷地が建築基準法などの関係法令に適合していることを証明するものです。この書類は、都道府県知事などの特定行政庁、または民間の指定確認検査機関によって交付されます。建物の新築や増改築など、建築確認申請が必要な工事の場合、用途変更を除くすべての工事で完了検査が義務付けられています（建築基準法第7条）。完了検査を受けるには、原則として工事が完了してから4日以内に申請する必要があります（同条第2項）。申請後、担当者が現地で完了検査を行い、提出された施工写真や試験成績書などを確認します。そして、建築基準法などの関係法令に適合していると認められると、「検査済証」が交付されるのです。
不動産投資における検査済証の重要性とは？
不動産投資は、将来の安定収入や資産形成を目的とする魅力的な選択肢です。しかし、物件選びを誤ると、想定外の費用やトラブルに見舞われる可能性も潜んでいます。そこで重要となるのが、建物の品質を証明する「検査済証」です。
検査済証は、建築基準法に基づいて適正に施工されたことを示す重要な書類です。新築物件であれば、原則として交付が義務付けられています。この検査済証があることで、購入者は安心して物件を取得できるだけでなく、将来的な売却時にも買い手からの信頼獲得に繋がります。
一方、検査済証のない物件は、建築基準法に適合していない可能性も考えられます。そのため、購入前にその理由を慎重に確認する必要があります。場合によっては、専門家による建物診断などを検討することも重要です。
不動産投資において、物件選びは成功への第一歩です。検査済証の有無は、建物の品質を見極める重要な指標となります。安心して投資を行うためにも、検査済証の重要性をしっかりと理解しておきましょう。
検査済証がない物件のリスク
検査済証は、建物の品質を保証する重要な書類です。しかし、中古物件の中には、この検査済証がない場合も少なくありません。検査済証がないということは、建物が建築基準法に基づいて適正に建てられているかどうかを確認できないことを意味します。つまり、思わぬ欠陥が潜んでいる可能性があり、後々、修繕費用がかさんだり、入居者とのトラブルに発展するリスクも孕んでいるのです。具体的には、雨漏りや配管の不具合、耐震性の問題など、居住者の安全に関わるような欠陥が見つかるケースも考えられます。また、検査済証がない物件は、金融機関からの融資を受けにくくなる可能性もあります。これは、金融機関にとっても、建物の安全性に不安がある物件への融資はリスクが高いと判断されるためです。そのため、購入資金の調達に苦労したり、希望する融資条件でローンを組めないといった事態に陥ることも考えられます。
検査済証と建築確認の違い
建物の安全性を確認する上で、「検査済証」と「建築確認」は重要なキーワードですが、この二つは全く異なるものです。 「建築確認」は、建物を建築する前に、その計画が建築基準法などの法令に適合しているかどうかを審査する制度です。 一方、「検査済証」は、実際に工事が完了した建物が、建築確認の内容に基づいて建てられているかを検査し、適合していれば交付される証明書です。 つまり、建築確認が設計図上のチェックであるのに対し、検査済証は完成した建物の品質を保証するものと言えるでしょう。
中古物件を選ぶ際に確認すべき検査済証のポイント
中古物件の魅力は、新築物件と比べて価格が抑えられている点にあります。しかし、築年数が経過しているということは、それだけ建物の劣化が進んでいる可能性も秘めているということです。そこで重要になるのが「検査済証」の存在です。
検査済証とは、建築基準法に基づいて適正に施工されたことを証明する書類です。新築物件では必ず交付されますが、中古物件では存在しないケースも少なくありません。
もし、中古物件で検査済証が確認できれば、それは建築当初に基準を満たした建物であることを意味します。構造耐力上主要な部分などの重要な箇所が、適切に施工されているという安心感を得られるでしょう。
一方、検査済証がない場合は注意が必要です。過去の増改築が原因で、違法建築になっている可能性も考えられます。
中古物件を選ぶ際には、価格や立地だけでなく、検査済証の有無も重要な判断材料になります。書類を確認することで、安心して投資できる物件を見つけ出すことが大切です。
まとめ：検査済証で安全な不動産投資を
不動産投資において、物件の安全性は投資の成功を左右する重要な要素です。建物の品質は、入居者の安全確保はもちろんのこと、建物の資産価値や賃貸経営の安定にも直結します。
そこで重要となるのが「検査済証」です。検査済証とは、建築基準法に基づいて適正に建築されたことを証明する書類です。建物の構造や設備が建築基準に適合しているかをチェックする「完了検査」に合格すると交付されます。
検査済証を取得している物件は、第三者機関による厳格なチェックを受けているため、安心して投資することができます。一方、検査済証がない物件は、建築基準を満たしていない可能性があり、欠陥による修繕費用や資産価値の低下といったリスクが伴います。
不動産投資を検討する際は、必ず検査済証の有無を確認し、安全な物件を選び抜くようにしましょう。検査済証は、投資家にとって安心材料となるだけでなく、入居者にとっても安全・安心な暮らしを提供するための重要な指標と言えるでしょう。
