ISDNとは？ 時代遅れ？

ISDNとは？ 時代遅れ？

リフォームについて知りたい

先生、リフォームのチラシに『ISDN対応』って書いてあるんですけど、ISDNって何ですか？

リフォーム専門家

いい質問だね！ ISDNは、インターネットや電話など色々なデータをデジタルで送受信するための技術だよ。昔は画期的だったんだけど、今はもっと速い光回線が主流になったから、あまり見かけなくなったね。

リフォームについて知りたい

そうなんですね。でも、なんでリフォームのチラシに書いてあるんですか？

リフォーム専門家

それはね、古い建物だとISDNの配線が残っていることがあるからだよ。リフォームする時に、一緒に撤去するか、そのまま残しておくかを確認しているんだよ。

ISDNの概要

「ISDN」とは、「サービス統合デジタルネットワーク」と呼ばれる通信サービスのことです。聞き慣れない言葉かもしれませんが、 かつては家庭や企業で広く利用されていました。

従来の電話回線は、音声情報を電気信号に変換して送受信していました。一方、ISDNは、音声だけでなく、画像やデータなど、あらゆる情報をデジタルデータに変換して送受信します。

ISDNの登場により、高音質・高速な通信が可能になりました。従来の電話回線では困難だった、クリアな音声での通話や、大容量データのやり取りが実現しました。

また、ISDNは、インターネットの普及にも大きく貢献しました。ISDNが登場する以前、インターネットに接続するには、速度の遅い回線を利用するか、高額な専用回線を契約する必要がありました。ISDNは、比較的安価な費用で、高速なインターネット接続を提供し、多くの人がインターネットを利用できる環境を整えるのに役立ちました。

現在では、光ファイバーや高速モバイル通信の普及により、ISDNは主流ではなくなりましたが、かつての通信技術の進歩に大きく貢献した技術と言えるでしょう。

ISDNのメリット

ISDNは、従来のアナログ電話回線と比べて多くの利点を持つ画期的な通信システムでした。最大のメリットは、通信速度が飛躍的に向上した点です。当時のアナログ回線では、データ通信を行う場合、音声通話よりもはるかに時間がかかっていました。しかし、ISDNでは最大128kbpsという高速なデータ通信を実現し、画像や音声データのやり取りが格段に速くなりました。これは、当時のインターネットやFAXの利用に大きな変革をもたらしました。

また、ISDNは1つの回線で音声通話とデータ通信を同時に行えるという点も画期的でした。従来のアナログ回線では、データ通信を行う場合は音声通話ができないため、別々の回線を契約する必要がありました。しかし、ISDNでは1つの回線で両方の通信を同時に行えるため、回線数を減らすことができ、コスト削減にもつながりました。

さらに、ISDNには番号通知や発信者番号表示など、従来の電話回線にはなかった便利な機能が搭載されていました。番号通知は、着信時に相手の電話番号が画面に表示される機能で、電話に出る前に誰からの電話かを確認することができました。発信者番号表示は、相手に自分の電話番号を通知する機能で、ビジネスシーンなどでの円滑なコミュニケーションに役立ちました。これらの機能は、当時のビジネスシーンを中心に広く普及し、業務効率の向上に貢献しました。

ISDNの普及と衰退

1990年代から2000年代初頭にかけて、ISDNは企業を中心に爆発的に普及しました。 当時は、アナログ電話回線に比べて高速で安定した通信が可能である点が評価され、多くの企業がこぞって導入しました。特に、画像や音声などの大容量データの送受信が必要となるテレビ会議システムや、社内ネットワークの構築などに活用され、ビジネスの効率化に大きく貢献しました。
しかし、時代の流れとともに、ISDNは次第にその座を譲ることになります。2000年代半ばになると、ADSLや光ファイバーといったより高速で大容量のデータ通信が可能なブロードバンド回線が登場し始めました。これらの新しい技術は、ISDNよりも通信速度が速く、料金も安価であったため、多くのユーザーが乗り換えていきました。
さらに、インターネットの普及もISDNの衰退を後押ししました。 インターネットは、電子メールやウェブサイトの閲覧など、これまで以上に多様な通信ニーズを生み出し、それに応える形で、より高速な通信回線への需要が高まっていったのです。
現在では、ISDNは一部の企業や地域で利用されているものの、主流の通信回線とは言えません。かつては時代の最先端を走っていた技術も、技術革新の波には勝てず、その役目を終えようとしています。

ISDNの現在

かつて、電話やファクシミリ、インターネット接続の手段として広く普及していたISDNも、時代の流れとともにその姿を消しつつあります。現在では、多くの通信事業者がISDNの新規受付を終了しており、既存の利用者に対しても、光ファイバーなどより高速な回線への移行を推奨しています。
技術の進歩は目覚ましく、ISDNよりもはるかに高速で大容量の通信が当たり前となった現在、ISDNは過去の技術になりつつあります。かつては画期的だったISDNの通信速度も、今では動画視聴や大容量ファイルの送受信には心もとなく、時代のニーズに追いつけなくなっているのが現状です。
しかし、ISDNが築き上げてきた功績は決して小さくありません。ISDNは、それまでのアナログ回線に比べて高速かつ安定したデジタル通信を実現し、日本の通信インフラの近代化に大きく貢献しました。インターネットや携帯電話といった、現代社会には欠かせない技術の礎を築いたのは、まぎれもなくISDNの功績と言えるでしょう。
今後は、より高速・大容量の通信技術が主流となり、ISDNは歴史の1ページに刻まれることになりますが、その功績は長く語り継がれていくでしょう。