住宅の屋根を支える縁の下の力持ち:野地板

住宅の屋根を支える縁の下の力持ち:野地板

リフォームについて知りたい

先生、リフォームのチラシで『野地板』っていう言葉を見たんだけど、どういうものかよく分からなくて。教えてください!

リフォーム専門家

いいね!興味を持ってくれて嬉しいよ。『野地板』は、屋根を作るための大切な材料なんだ。屋根瓦を想像してみてくれる?あの瓦を支える土台となる板のことだよ。

リフォームについて知りたい

屋根瓦の下にある板ってことですか?でも、なんで『野』って言うんですか?

リフォーム専門家

昔は板の上に直接瓦を葺いていたんだけど、その板を『野地板』と呼んでいたんだ。今は防水シートを挟むから『野』って感じはしないけど、名前は残っているんだよ。

野地板とは。

「野地板」は、屋根を葺くときに、屋根材の下に敷く板のことです。まず、屋根の骨組みとなる垂木の上に野地板を張ります。その上に雨漏りを防ぐための防水シートを敷き、最後に瓦やスレートなどの屋根材を葺いていきます。

野地板には、厚さ9ミリから12ミリの構造用合板が使われます。12ミリ厚の野地板には、「さね」と呼ばれる加工が施されているものがあります。これは、板と板を組み合わせやすくする加工で、これがあると施工が楽になります。一方、9ミリ厚の野地板には、「さね」加工ができません。そのため、施工に手間がかかり、費用も高くなってしまうことがあります。

また、外側から断熱する工法などでは、野地板を天井の仕上げ材としてそのまま見せることもあります。

住宅で使われる野地板は、水をはじく性質を持つ耐水合板が使われることが多いです。耐水合板を使うことで、雨漏りのリスクを減らすことができます。

さらに、「耐火野地板」と呼ばれる、火に強い野地板もあります。これは、火災の延焼を防ぐための基準を満たした野地板で、火を使う場所の近くや、火災の危険性が高い地域で家を建てる際に使用が義務付けられています。

屋根の構造と野地板の役割

屋根の構造と野地板の役割

私たちが毎日安心して暮らすために、住宅の屋根は雨風や直射日光から家を守ってくれています。そして、その屋根を構成する要素の一つに「野地板」があります。

野地板は、屋根の一番外側にある瓦やスレートなどの屋根材と、屋根の骨組みである垂木の間に位置する板材です。屋根の構造を家屋に例えるならば、垂木が柱や梁のような構造材だとすると、野地板は床板に相当する重要な役割を担っています。

野地板は、まず屋根材を支える役割を担っています。屋根材は、雨風や太陽光から家を守るために重要な役割を担っていますが、それ自体だけで強度を保つことはできません。そこで、野地板が屋根材をしっかりと支え、屋根全体としての強度を保つ役割を果たしているのです。

また、野地板は風による吹き上げや地震の揺れから屋根を守る役割も担っています。強風時に屋根材が吹き上げられるのを防いだり、地震の揺れが建物全体に伝わるのを軽減する効果も期待できます。

さらに、野地板は屋根材の下に防水シートを敷くための下地にもなります。防水シートは、屋根材の隙間から入り込む雨水から家を守るための重要な役割を担っています。野地板は、この防水シートを平らな状態に保つことで、防水性能を最大限に発揮させる役割も担っているのです。

このように、野地板は屋根の構造において重要な役割を担っています。屋根のリフォームや新築の際には、野地板の役割について理解を深めておくことが大切です。

野地板の役割詳細
屋根材の支持屋根材を支え、屋根全体の強度を保つ
風による吹き上げや地震の揺れから屋根を守る強風時の屋根材の吹き上げを防いだり、地震の揺れが建物全体に伝わるのを軽減する
防水シートの下地防水シートを平らな状態に保ち、防水性能を最大限に発揮させる

野地板の素材と種類

野地板の素材と種類

屋根の構造において、屋根材の下に敷かれる重要な下地材である野地板。家屋の耐久性を左右する重要な役割を担うこの野地板には、一般的に厚さ9mmから12mmの構造用合板が使用されます。

構造用合板とは、薄い板を複数枚重ね合わせ、接着剤を用いて圧着することで作られます。この製造過程により、単板材に比べて強度と耐久性に優れた頑丈な板材となるのです。近年では、12mmの厚みを持つ構造用合板に、「さね」と呼ばれる加工を施したものが主流になりつつあります。

「さね」とは、板の側面に凹凸をつける加工のことです。この凹凸により、隣り合う板同士を隙間なく、まるでパズルのように組み合わせることが可能になります。結果として、施工の手間が大幅に軽減されるだけでなく、より強固で安定した屋根構造を実現できるという利点があります。

このように、住宅の耐久性を支える野地板には、構造用合板という強靭な素材と、「さね」加工による施工の効率化という工夫が凝らされているのです。

項目説明
野地板の素材厚さ9mm~12mmの構造用合板
構造用合板の特徴薄い板を重ね合わせて接着・圧着したもの。単板材より強度・耐久性に優れる。
最近の主流12mm厚の構造用合板に「さね」加工を施したもの
「さね」加工とは板の側面に凹凸をつける加工。
「さね」加工のメリット– 板同士を隙間なく組み合わせることが可能
– 施工の手間を軽減
– より強固で安定した屋根構造を実現

野地板の厚さと施工費用

野地板の厚さと施工費用

– 野地板の厚さと施工費用住宅の屋根や床を支える重要な下地材である野地板。その厚さによって施工費用は大きく変わってきます。一般的に使用される9mm厚の構造用合板と、12mm厚の構造用合板を例に、その違いを見ていきましょう。一見すると、薄い9mm厚の構造用合板の方が材料費も安く抑えられ、費用が安く済むように思えます。しかし、実際には施工の手間や時間に大きな違いが出てくるため、必ずしもそうとは限りません。12mm厚の構造用合板には、「さね」と呼ばれる凹凸加工が施されています。この「さね」があることで、施工時に板同士を隙間なく、かつ簡単に組み付けることが可能になります。そのため、施工時間が短縮され、人件費を抑えることができます。一方、9mm厚の構造用合板には、強度上の問題から「さね」加工が施されていません。そのため、施工時に板同士を正確に合わせ、釘打ちする作業に手間と時間がかかります。結果として、人件費がかさみ、施工費用全体が割高になってしまうケースも少なくありません。初期費用は安く抑えられても、最終的には12mm厚の構造用合板の方が、施工時間短縮による人件費削減効果によって、費用を抑えられる可能性があるのです。野地板を選ぶ際には、初期費用だけでなく、施工費用全体を考慮することが大切です。専門業者に相談し、最適な厚さの野地板を選び、費用を抑えた住宅 निर्माणを目指しましょう。

項目9mm厚構造用合板12mm厚構造用合板
特徴さね加工なしさね加工あり
施工時間長い(板同士を合わせる必要があるため)短い(さね加工により簡単に施工可能)
費用人件費がかかりがち人件費を抑えられる可能性あり

耐水性と耐火性を備えた野地板

耐水性と耐火性を備えた野地板

家の屋根や床を支える大切な役割を担う野地板には、湿気や火災から家を守るために、耐水性と耐火性を備えたものが使用されることが多くなっています。

木材を原料とする合板は、湿気を吸収すると膨張したり、腐ったりすることがあります。そこで、接着剤に耐水性の高いものを用いた耐水合板が開発されました。耐水合板は、湿気による劣化を防ぐため、雨漏りなどの水害から家を長く守ることに役立ちます。

また、火災から家を守るためには、燃えにくい素材を選ぶことが重要です。建築基準法では、火災時の安全性を確保するために、建築物の用途や地域に応じて、使用する建材の耐火性能を定めています。「耐火野地板」は、この建築基準法で定められた耐火性能を満たした野地板のことを指します。都市部など、火災のリスクが高い地域に家を建てる場合には、耐火野地板の使用が義務付けられています。

このように、耐水性と耐火性を備えた野地板は、住宅の耐久性と安全性を高めるために欠かせない建材と言えるでしょう。

種類特徴メリット用途・規制
耐水合板接着剤に耐水性の高いものを採用・湿気による膨張や腐敗を防ぐ
・雨漏りなどの水害から家を守る
耐火野地板建築基準法で定められた耐火性能を満たした野地板・火災時の安全性を確保・都市部など、火災リスクが高い地域の住宅には使用が義務付けられている場合がある

野地板の活用とデザイン性

野地板の活用とデザイン性

家づくりの際、デザイン性を重視する方が増えています。それに伴い、これまで屋根の下地材として使われてきた「野地板」を、内装材として活用する事例が増加しています。

特に、家の外側に断熱材を施工する「外張り断熱工法」を採用する場合、断熱材の外側に野地板を張るため、その野地板をそのまま天井の仕上げ材として利用することができます。このように、構造材と内装材を兼ねることで、コスト削減にも繋がります。

木材ならではの優しい風合いは、空間に温かみをプラスし、個性的な空間を演出します。野地板には、スギやカラマツなど、さまざまな種類の木材が使われており、木目や色合いも異なります。そのため、好みに合わせて木材を選ぶことで、自分だけのオリジナル空間を作ることができます。

これまで屋根の下に隠れていた野地板は、内装材としても大きな可能性を秘めています。住宅のデザインの幅を広げ、個性的な空間作りを叶える素材として、今後ますます注目されていくでしょう。

項目内容
用途従来:屋根の下地材
現在:内装材としても活用が増加
メリット
  • 外張り断熱工法との組み合わせで、構造材と内装材を兼用できるため、コスト削減が可能
  • 木材ならではの優しい風合いで、空間に温かみをプラス
  • スギやカラマツなど、木の種類が豊富で、個性的な空間を演出できる
今後の展望住宅のデザインの幅を広げ、個性的な空間作りを叶える素材として注目
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