空間を広く見せる技！「はっかけ」で洗練された住まいに

空間を広く見せる技！「はっかけ」で洗練された住まいに

リフォームについて知りたい

先生、「はっかけ」ってリフォームの用語で聞いたんですけど、どういう意味ですか？

リフォーム専門家

いい質問だね。「はっかけ」は、柱や窓枠をすっきり見せるための仕上げ方だよ。例えば、柱の表面を削って、壁と同じ高さにするんだ。

リフォームについて知りたい

あ！そうすると、柱が壁に埋まっているように見えるんですね！

リフォーム専門家

その通り！そうすることで、部屋が広く感じたり、すっきりとした印象になるんだ。最近のリフォームではよく使われているよ。

「はっかけ」とは？

– 「はっかけ」とは？日本の伝統建築で見られる、繊細で美しい仕上げ技法に、「はっかけ」があります。これは、柱や窓枠などの部材の端を、まるで刃物で削り取ったかのように薄く仕上げる方法です。特に、柱の側面を斜めに削り落とすことで、正面から見ると柱がまるで線のように細く見え、空間に広がりを感じさせる効果を生み出します。「はっかけ」は、単に見た目の美しさだけでなく、建築物全体の構造的な強度を高める役割も担っています。部材と壁の隙間をなくすことで、地震や風などの外力に対する抵抗力を高め、建物の安定性を向上させているのです。このような高度な技術と美意識が融合した「はっかけ」は、主に、数寄屋建築など、簡素ながらも洗練された美しさを追求する建築様式で用いられます。自然の素材を活かし、無駄を削ぎ落とした空間の中に、職人の卓越した技と美意識が光る「はっかけ」は、日本の伝統建築の粋と言えるでしょう。

洗練された空間を演出

「削り出し」は、ただ部屋を広く見せるだけでなく、洗練された雰囲気も作り出します。柱や窓枠の存在感を抑えることで、壁や天井といった空間そのものが強調され、静かで落ち着いた空間になるのです。
たとえば、天井を高く見せるために、天井と壁の境目である「廻縁（まわりぶち）」をなくす、あるいは、壁を少し削って窓枠を埋め込む、といった工夫があります。こうすることで、視線が遮られずに空間全体に広がり、実際よりも広く感じられるのです。
また、削り出した部分にできる陰影が、空間に奥行きと立体感を与え、より表情豊かな空間になるという効果もあります。光と影のコントラストが、空間にリズムを生み出し、単調な印象を与えません。さらに、間接照明を組み合わせることで、陰影がより際立ち、ドラマチックな空間を演出することも可能です。このように「削り出し」は単なる空間の広がりだけでなく、光と影の interplay (相互作用)によって、洗練された上質な空間を生み出すことができるのです。

現代住宅への応用

– 現代住宅への応用

古くから日本家屋で用いられてきた「なぐり」と呼ばれる建築技術は、現代の住宅にも取り入れることができます。
「なぐり」とは、木材の表面をあえて粗く仕上げることで、独特の風合いを出す技法のことです。

「なぐり」は、和室だけでなく、洋室にも違和感なく馴染みます。 むしろ、シンプルなデザインの家具や、無機質な素材との相性が良く、ミニマルでモダンな空間にもよく合います。

また、「なぐり」は、柱だけでなく、梁や鴨居など、さまざまな部材に適用することができます。
リビングの天井を横切る梁に「なぐり」を施せば、空間に奥行きが生まれますし、鴨居に施せば、部屋全体に落ち着いた雰囲気を与えることができます。

このように、「なぐり」は、部分的に取り入れるだけでも、空間にアクセントを加え、洗練された印象を与えることができます。

さらに、「なぐり」には、木材の表面積を増やすことで、調湿効果を高めるという機能的な側面もあります。
日本の高温多湿な気候において、快適な住環境をつくり出す上でも有効な技術と言えるでしょう。

職人の技が光る仕上げ

– 職人の技が光る仕上げ

「はっかけ」と呼ばれる仕上げをご存知でしょうか。これは、木材や石材の表面を、職人がノミで削り取ることで模様をつける、伝統的な技法です。

「はっかけ」の最大の特徴は、熟練の職人によってのみ生み出される、味わい深い風合いです。同じ材料、同じ道具を使っても、職人の経験や技術によって、仕上がりが全く異なるものになるのです。

まず、職人は、材料の材質や形状を見極め、ノミの種類や削り方を決定します。木材の繊維の方向や石の硬さを見抜きながら、繊細な力加減でノミを操り、ミリ単位の精度で削り進めていきます。

削り方一つで、線の太さや深さ、陰影の出方が変わり、それが独特の模様を生み出すのです。深く力強く削れば重厚感のある表情に、浅く繊細に削れば、軽やかで優美な印象になります。

近年、機械化が進み、均一的な仕上げが容易になった一方で、「はっかけ」のような手仕事による仕上げは、希少価値が高まっています。そこには、職人の技術と感性が宿っており、温かみのある、世界に一つだけの表情が生まれます。

住宅の一部に「はっかけ」仕上げを取り入れることで、空間に個性や奥行きが生まれ、上質な雰囲気を演出することができます。それは、時代を超えて愛される、本物の美しさと言えるでしょう。

まとめ

日本の伝統的な建築様式に見られる「はっかけ」は、壁や天井の一部を斜めに切り上げて仕上げる、繊細で美しい技術です。現代の住宅においても、その洗練された美しさは、空間全体に独特の広がりと奥行きを与え、ワンランク上の雰囲気を演出します。
天井に「はっかけ」を施すと、視覚的に天井が高くなり、実際の広さ以上の開放感を得られます。特に、マンションなど天井高が限られる空間では、圧迫感を軽減し、広々とした印象を与えます。また、「はっかけ」は光を柔らかく拡散させる効果も期待できます。天井や壁に入射する光の角度を調整することで、空間に陰影が生まれ、奥行きと立体感が増します。
さらに、「はっかけ」は、日本の伝統的な美意識である「わび・さび」に通じる、簡素ながらも洗練された美しさを持ち合わせています。無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインは、周囲のインテリアを引き立て、空間に落ち着きと上品さを与えます。和室だけでなく、洋室にも自然と馴染み、モダンな空間にも調和します。リフォームやリノベーションの際には、ぜひ「はっかけ」を取り入れて、洗練された空間作りを検討してみてはいかがでしょうか。