住宅の顔、玄関ドアの鍵：グリップハンドル錠について

住宅の顔、玄関ドアの鍵：グリップハンドル錠について

リフォームについて知りたい

リフォームのチラシで『グリップハンドル錠』っていう言葉を見たんだけど、どんな錠なの？

リフォーム専門家

「グリップハンドル錠」は、ドアを開けるときに、握って引くタイプの錠のことだよ。玄関ドアでよく見かけるよね。

リフォームについて知りたい

ああ、あの握るところがレバーみたいになってるやつか！でも、チラシには室内ドアにも使えるって書いてあったけど…

リフォーム専門家

そうなんだ。最近はリビングドアなど、室内ドアにもおしゃれなグリップハンドル錠が使われるようになってきたんだよ。

握るだけで開く、グリップハンドル錠の仕組み

– 握るだけで開く、グリップハンドル錠の仕組み

玄関ドアなどでよく見かける、握るだけで開くタイプのドアノブ。あれは「グリップハンドル錠」と呼ばれ、その名の通り、ハンドルを握って操作するのが特徴です。

この錠は、ハンドル部分を握ると連動して内部のレバーが下がり、その力でラッチボルトと呼ばれる金属片がドア枠に押し込まれる仕組みになっています。ラッチボルトは普段はドア枠に引っかかっており、ドアが勝手に開かないようにする役割を担っています。

ハンドルを握るとこのラッチボルトが引っ込み、同時にドアが開く仕組みです。反対に、ハンドルから手を離すと内部のバネの力でレバーが元の位置に戻り、ラッチボルトも飛び出してドア枠に引っかかり、自動的に施錠されます。

グリップハンドル錠は、玄関ドアのような住宅の顔となる部分に設置されることが多いですが、その使い勝手の良さから室内ドアにも使われることがあります。

握るだけで開閉ができるため、お年寄りや小さな子供でも楽に操作できる点が大きなメリットと言えるでしょう。また、シンプルな構造であるため、比較的安価で壊れにくいという点も魅力です。

防犯の要、ラッチボルトとテッドボルト

– 防犯の要、ラッチボルトとテッドボルト玄関ドアに取り付けられたグリップハンドル錠には、スムーズな開閉を助けるラッチボルトと、強固な防犯性を発揮するテッドボルトという二つの重要な要素が存在します。ラッチボルトは、ドアの側面に見られる斜めにカットされた金属部分です。この斜めの形状により、ドアを軽く閉めた際にラッチボルトが自動的に飛び出して、ドア枠に引っかかる仕組みになっています。これにより、風が強い日でもドアが勢いよく開いたり、何かにぶつかって不用意に開いてしまったりするのを防いでくれます。
この、ラッチボルトによって軽く閉められた状態は「空締め」とも呼ばれています。「空締め」は、鍵をかけ忘れた場合でも、ある程度の防犯効果が期待できるため、日々の生活の中で自然と防犯性を高める工夫と言えるでしょう。一方、テッドボルトは、ラッチボルトよりも太く頑丈な金属製のボルトです。鍵をかけると、このテッドボルトがドア枠に深く嵌入し、こじ開けたり、破壊したりといった行為に対して強固な抵抗力を発揮します。テッドボルトは、ラッチボルトだけでは防ぎきれない、より強度の高い防犯対策として機能するのです。

つまり、ラッチボルトとテッドボルトは、それぞれ異なる役割を担いながら、私たちの安全な暮らしを守ってくれているのです。

強固な防犯対策、テッドボルトの役割

住宅の防犯対策において、ドアや窓の鍵は非常に重要です。その中でも、グリップハンドル錠は、多くの住宅で採用されている一般的な鍵の種類です。グリップハンドル錠は、レバーハンドルを上下することで施錠・解錠を行うことができるため、子供からお年寄りまで簡単に操作できるという利点があります。

グリップハンドル錠には、大きく分けてラッチボルトとテッドボルトの二つの機構があります。ラッチボルトは、ドアを閉めると自動的に飛び出して枠に引っかかり、ドアを簡易的に固定する役割を果たします。このラッチボルトだけでも、ドアを閉めている状態を保つことはできますが、強い力で押したり、衝撃を与えたりすると簡単に開いてしまう可能性があります。

一方、テッドボルトは、鍵を施錠することで初めて作動する、より強固な防犯機構です。ラッチボルトが仮締めの役割を担うのに対し、テッドボルトは本締めに相当し、外部からの侵入を防ぐ上で重要な役割を果たします。テッドボルトは、鍵を回すことで太い金属製のボルトがドア枠に深く食い込むため、ラッチボルトよりも強固にドアを固定することができます。テッドボルトがない状態では、鍵を掛けてもラッチボルトだけでドアを固定することになり、防犯上、非常に脆弱な状態と言えます。

そのため、グリップハンドル錠を選ぶ際には、このテッドボルトの有無や種類にも注目することが大切です。防犯性を高めるためには、テッドボルトが標準装備されているか、あるいはオプションで追加できるかを確認するようにしましょう。

更なる安全性を追求、テッドボルト切断防止機能

近年、凶悪化する犯罪から家を守るために、玄関ドアの防犯対策への意識が高まっています。従来の鍵に加えて、補助錠の設置や、より強固な構造の錠前への交換など、様々な対策が講じられています。
その中でも、「テッドボルト」と呼ばれる太いボルトを用いた錠前は、高い防犯性を持つものとして注目されています。テッドボルトは、一般的な錠前のボルトに比べて太く、頑丈な材質でできているため、バールなどを用いたこじ開けに強いという特徴があります。
しかし、犯罪の手口は巧妙化しており、近年では、このテッドボルトを切断する工具を用いた犯行も報告されています。そこで開発されたのが、「テッドボルト切断防止機能」です。この機能は、テッドボルト内部に、特殊な熱処理を施した非常に硬い鋼鉄製のピンを埋め込むことで、切断工具による破壊行為を困難にするものです。
住宅の防犯対策は、常に進化する犯罪の手口の一歩先を行く必要があります。「テッドボルト切断防止機能」は、更なる安全性を追求した、新しい時代の防犯対策と言えるでしょう。

住宅の顔にふさわしい、機能とデザインを兼ね備えた選択を

住宅の顔となる玄関ドア。その印象を大きく左右するのが、玄関に取り付けるグリップハンドル錠です。単にドアを開け閉めするための道具としてではなく、家の第一印象を決める重要な要素の一つといえます。
防犯性を高めるという重要な役割を担うのはもちろんのこと、住宅のデザインや雰囲気に調和するデザイン性も求められます。素材はアルミや真鍮、ステンレスなど、色も定番のシルバーやゴールド、ブラックから、近年では木目調のものまで、多種多様なバリエーションが存在します。さらに、表面の仕上げ方によっても印象は大きく変わり、つや消し、鏡面仕上げ、アンティーク調など、住宅の個性を引き立てるアクセントとして活躍します。
グリップハンドル錠を選ぶ際には、専門家の意見を参考にしながら、防犯性、使いやすさ、デザイン性などを総合的に判断することが大切です。家族構成やライフスタイルに合った機能を備えているかどうかも重要なポイントです。例えば、小さな子どもやお年寄りのいる家庭では、握りやすく操作しやすい形状のものを選ぶと良いでしょう。
機能とデザインを兼ね備えた、理想的なグリップハンドル錠を選ぶことで、住む人の心を満たし、訪れる人を温かく迎える、魅力的な玄関を作り上げることができるでしょう。