時代遅れのバランス釜?そのメリット・デメリットを解説
リフォームについて知りたい
リフォームのチラシで『バランス釜』っていう言葉を見たんですけど、どんなものですか?
リフォーム専門家
お風呂のお湯を沸かす釜の一種だよ。浴室の中に設置するんだけど、空気の出し入れは家の外でする仕組みになっているんだ。
リフォームについて知りたい
へえー、お風呂の中にあるのに外の空気を使うんですか?
リフォーム専門家
そうなんだ。だから、浴室内の空気が汚れたり、一酸化炭素中毒の心配が少なかったりするメリットがあるんだ。昔はよく使われていたんだけど、最近はあまり見かけないね。
バランス釜とは。
「バランス釜」って何かご存知ですか? お風呂場の中にあるお湯を沸かす装置のことなんですが、空気の吸い込み口と煙を出すところが両方ともお風呂場の外にあるんです。だから、お風呂場の中が息苦しくなったり、お湯を沸かす時に出る危ない空気で具合が悪くなる心配がほとんどないんです。それに、電池で動くので、停電の時でも安心してお風呂に入れます。でも、お風呂の湯船にくっつけるように設置するので、湯船が狭くなってしまうのが難点です。お湯を足して温め直そうとすると、上のほうだけ熱くなってしまうので、かき混ぜないといけないのも面倒です。さらに、お湯を沸かすところや湯船とつないでいる管のところに汚れが溜まりやすいのも困りものです。以前は、市営住宅などによく設置されていましたが、最近では使い勝手が悪いことから、お湯を沸かす装置が外にあるユニットバスが主流になっています。
バランス釜とは?
– バランス釜とは?浴室を温めるお風呂釜には、いくつかの種類があります。その中でも、バランス釜は、かつて公営住宅などで多く見られたタイプです。近年では、他のタイプの給湯器の普及に伴い、新しく設置されることは少なくなりましたが、現在でも使用されている住宅は少なくありません。バランス釜の最大の特徴は、給気と排気の両方を浴室の外で行うという点にあります。一般的なガス給湯器の場合、浴室内の空気を使ってガスを燃焼させ、発生した熱でお湯を沸かします。一方、バランス釜は、専用の給排気筒を通じて、外気を取り込み、燃焼後のガスを排出します。そのため、浴室内の空気が汚れず、一酸化炭素中毒の危険性を抑えることができるというメリットがあります。また、バランス釜は、比較的構造がシンプルであるため、他のタイプの給湯器と比べて、安価に設置できるという点も魅力でした。しかし、お湯を沸かす際に、屋外から冷たい空気を取り込むため、冬場など気温が低い時期には、お湯の温度が不安定になりやすいというデメリットもあります。さらに、給排気筒の設置工事が必要となるため、設置場所が限られるという点も、近年敬遠される理由の一つと言えるでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
種類 | お風呂釜 |
特徴 | 給気と排気を浴室の外で行う |
メリット | – 浴室内の空気が汚れず、一酸化炭素中毒の危険性を抑える – 構造がシンプルで安価に設置できる |
デメリット | – 冬場など気温が低い時期には、お湯の温度が不安定になりやすい – 給排気筒の設置工事が必要なため、設置場所が限られる |
バランス釜のメリット
– バランス釜のメリットバランス釜は、昔から日本の多くの家庭で愛用されてきた給湯器です。その最大のメリットは、安全性が高いことです。
バランス釜は、屋外の壁面に設置され、空気の取り入れ口と排気口がそれぞれ独立して設けられています。この構造により、燃焼に必要な空気は屋外から取り込まれ、燃焼によって発生した排気ガスも直接屋外へ排出されます。つまり、浴室内の空気が燃焼に使われることがないため、浴室内の空気が汚染される心配がありません。
そのため、他の屋内設置型のガス給湯器と比較して、一酸化炭素中毒のリスクを大幅に減らすことができます。一酸化炭素は、無色無臭の気体であるため、気づかないうちに中毒を引き起こしてしまう危険性があります。しかし、バランス釜は、その構造上、浴室内に一酸化炭素が充満するリスクが低いため、安心して使用することができます。
また、バランス釜は、乾電池を利用して点火するものが主流です。そのため、停電時でもお湯を沸かすことができます。近年は、自然災害の増加により、停電が発生するケースも少なくありません。このような状況下でも、バランス釜があれば、温かいお湯を使うことができ、衛生面でも安心です。災害時など、いざという時に頼りになるのも大きな魅力です。
メリット | 解説 |
---|---|
安全性が高い | – 屋外設置のため、浴室内の空気が燃焼に使われない – 一酸化炭素中毒のリスクが低い |
停電時でも使用可能 | – 乾電池点火方式のため、停電時でもお湯を沸かせる – 災害時など、いざという時に便利 |
バランス釜のデメリット
– バランス釜のデメリットについてバランス釜は、設置のしやすさや価格の安さから、現在でも多くの住宅で見られます。しかし、従来型の給湯器と比べると、いくつかのデメリットも存在します。まず、バランス釜は浴槽に隣接して設置する必要があるため、浴槽が狭くなってしまう点が挙げられます。浴槽のサイズによっては、窮屈に感じたり、足を伸ばしてゆったりと入浴することが難しい場合もあります。特に、浴室全体が狭い場合には、圧迫感を感じやすいため注意が必要です。また、追い炊き機能を利用すると、上部のお湯だけが温まりやすく、温度ムラが生じやすい点もデメリットです。バランス釜は、浴槽の下部から冷水を吸い込み、釜で温めて浴槽の上部に戻すという仕組みで、お湯を循環させています。そのため、長時間追い炊きを続けると、上部と下部で温度差が生じやすく、均一な温度で入浴を楽しめない場合があります。温度ムラを解消するためには、自分で浴槽のお湯をかき混ぜる必要があり、手間がかかります。このように、バランス釜には、設置場所や機能面でいくつかのデメリットが存在します。そのため、これから新しく給湯器を設置する場合や、リフォームなどで給湯器の交換を検討している場合には、他のタイプの給湯器も比較検討することをおすすめします。
項目 | デメリット |
---|---|
設置場所 | 浴槽に隣接して設置する必要があるため、浴槽が狭くなる。 |
機能面 | 追い炊き機能利用時、上部のお湯だけが温まりやすく、温度ムラが生じやすい。 |
バランス釜のメンテナンス
– バランス釜のメンテナンスバランス釜は、昔ながらの浴室に多く見られる給湯器です。お湯を沸かす力強く、経済的な面も魅力ですが、その構造上、定期的なメンテナンスが欠かせません。バランス釜は、水道管から直接水を取り込み、釜の中で温めて浴槽に供給する仕組みです。そのため、水に含まれるミネラル分や不純物が釜の内部や浴槽との接続部に付着し、湯垢として蓄積しやすくなります。この湯垢が、様々なトラブルの原因となるのです。湯垢が溜まると、熱効率が低下し、お湯を沸かすのに時間がかかったり、ガス代が高くなる可能性があります。また、お湯の出が悪くなったり、シャワーの水圧が不安定になることもあります。さらに、湯垢が原因で故障してしまうこともあり、修理や買い替えが必要になることも考えられます。このような事態を防ぐためには、日頃からこまめな清掃を心がけることが大切です。具体的には、月に一度程度を目安に、市販の洗浄剤を使って釜内部の湯垢を落とすようにしましょう。また、浴槽との接続部分やシャワーヘッドなども、定期的に分解して清掃すると、より効果的です。バランス釜は、適切なメンテナンスを施すことで、長く快適に使い続けることができます。正しい知識を身につけ、日々のケアを習慣化しましょう。
バランス釜のメリット | バランス釜のデメリット | 対策 |
---|---|---|
お湯を沸かす力強い 経済的 | 湯垢がたまりやすい ・熱効率低下 ・時間/ガス代増加 ・お湯の出が悪くなる ・シャワー水圧不安定 ・故障の原因 | こまめな清掃 ・月1回洗浄剤 ・接続部やシャワーヘッドも定期的に清掃 |
バランス釜の現在
– バランス釜の現在かつて日本の浴室でよく見られたバランス釜ですが、近年ではその姿を見かける機会が減ってきました。これは、ユニットバスの普及によるところが大きいです。従来の浴室では、浴室内に設置されたバランス釜が、水圧の差を利用して直接お湯を沸かしていました。しかし、ユニットバスでは、浴室の外、例えば台所などに設置された給湯器でお湯を沸かし、浴室に供給するシステムが一般的です。そのため、浴室内に場所を取るバランス釜は不要となり、その結果、浴室空間をより広く使うことができるようになりました。また、バランス釜は、お湯を沸かす際に水圧が変化するため、シャワーの水量や温度が不安定になりがちでした。特に集合住宅などでは、水圧の低い時間帯にお湯の温度が下がったり、シャワーの水量が弱くなったりすることがありました。ユニットバスと給湯器の組み合わせでは、このような水圧の変化による影響を受けにくく、快適なバスタイムを楽しめるようになりました。さらに、バランス釜は、お湯を継ぎ足す「追い炊き」の際に、温度ムラが起きやすいというデメリットもありました。しかし、給湯器の場合は、一度沸かしたお湯をタンクに貯めておくため、追い炊き時でも温度変化が少なく、快適にお湯を使うことができます。このように、ユニットバスの普及と給湯器の性能向上により、バランス釜は主流ではなくなりました。しかし、現在でも、一部の住宅では、そのコンパクトな構造を活かして、バランス釜が利用されています。
項目 | バランス釜 | ユニットバス+給湯器 |
---|---|---|
設置場所 | 浴室内部 | 浴室外部(台所など) |
浴室空間 | 狭い | 広い |
水圧の影響 | 受けやすい(水量・温度が不安定) | 受けにくい |
追い炊き | 温度ムラが生じやすい | 温度変化が少なく快適 |
まとめ
– まとめ
浴室の給湯設備として、かつて主流を占めていたバランス釜。現在でも使用されているご家庭は少なくありません。しかしながら、近年普及が進むユニットバスには対応していないため、これから新たに設置するご家庭は減少していくと考えられます。
バランス釜の最大のメリットは、なんといってもそのシンプルな構造ゆえの安全性と、停電時でもお湯が使えるという点でしょう。ガスと水道、そしてお湯を沸かすための釜が一体となった構造は、故障のリスクが低く、安心して使い続けることができます。また、停電時でも水道さえ使えれば、直接水を釜に注いでお湯を沸かすことができるため、災害時にも心強い味方となってくれます。
一方で、バランス釜には、浴槽が狭くなってしまう、温度ムラが起きやすいといったデメリットも存在します。浴槽のすぐ横に設置するため、どうしてもスペースが限られてしまう点は否めません。また、水圧の影響を受けやすく、お湯の温度が安定しないことも少なくありません。
このように、バランス釜にはメリットとデメリットの両方が存在します。これからリフォームを検討する際には、これらの点を踏まえて、ご自身のライフスタイルに合った給湯設備を選ぶことが大切です。
メリット | デメリット |
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シンプルな構造のため安全性が高い | 浴槽が狭くなる |
停電時でもお湯が使える | 温度ムラが起きやすい |
故障のリスクが低い | 水圧の影響を受けやすい |