リフォーム

住まいの基本「間」の寸法:関東間について

- 関東間とは日本の伝統的な建築様式においては、柱と柱の中心線の間隔を基準とした尺貫法を用いて建物の平面計画が設計されてきました。この尺貫法に基づいた基準寸法のひとつに「関東間」があります。関東間は、主に東日本を中心に用いられてきたことからその名が付けられました。柱と柱の中心線の間隔を芯々寸法と呼びますが、関東間では、この芯々寸法が6尺(約182cm)と定められています。関東間という名称から、東日本のみで使われていると誤解されることもありますが、実際には東日本以外にも広く普及しています。日本の住宅の多くがこの関東間で設計されているため、馴染み深いという方も多いのではないでしょうか。関東間は、畳のサイズと密接な関係があります。一般的に使用される畳のサイズは、約176cm×約88cmです。関東間の芯々寸法である約182cmから柱の太さを差し引くと、畳がちょうど2枚敷けるサイズになります。このように、関東間は畳の寸法を基準に発展してきた歴史があり、日本の風土や生活様式に深く根付いた基準寸法と言えるでしょう。現在では、メートル法の普及が進み、建築設計においてもメートル法が主流になりつつあります。しかし、日本の伝統的な建築様式を理解する上では、関東間をはじめとする尺貫法の知識は欠かせません。古くから日本の建築を支えてきた尺貫法は、現代の建築にもそのエッセンスが受け継がれています。
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空間のアクセントにもなる袖壁:その役割と魅力

- 袖壁ってどんなもの?住宅のデザインでよく耳にする「袖壁」。一見、小さく目立たないように思えますが、実は空間の印象を大きく左右する重要な要素です。袖壁とは、柱や壁から垂直に伸びる、人の身長よりも低い壁のことを指します。まるで建物の袖のように見えることから、袖壁という名前が付けられました。袖壁は、その設置場所や目的によって様々な役割を担います。例えば、玄関横に設置することで、外からの視線を遮り、プライバシーを守ってくれる効果があります。また、庭とリビングの間に設置すれば、空間を緩やかに仕切りながらも、開放感を損なわない、魅力的な空間を作ることができます。さらに、袖壁は装飾としても活躍します。素材や色、照明を工夫することで、個性的な空間を演出することができます。例えば、レンガ調のタイルを貼れば、温かみのある雰囲気に。間接照明を取り付ければ、夜は幻想的な表情を見せてくれます。このように、袖壁はデザイン性と実用性を兼ね備えた、住宅には欠かせない存在と言えるでしょう。
リフォーム

新築やリフォーム後のニオイ対策:ベイクアウトのススメ

- 住宅リフォームにおけるベイクアウトとは?住宅のリフォーム後、真新しい家具や建材から独特の臭いがすることがあります。この臭いの原因は、ホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物(VOC)であることが多く、シックハウス症候群の原因として健康への影響も懸念されています。そこで、リフォーム後の空気環境対策として注目されているのが「ベイクアウト」という手法です。ベイクアウトとは、完成したばかりの住宅やリフォーム後の部屋の温度を意図的に上昇させることで、家具や建材に含まれるVOCを短期間で放散させる方法です。具体的には、室内の温度を35度から40度程度に保ちながら、窓を閉め切った状態で数時間から半日程度放置します。その後、十分に換気を行うことで、室内に放出されたVOCを外部に排出します。ベイクアウトを行うことで、VOCを集中的に放出させて短期間で除去することが期待できます。新築やリフォーム直後の住宅では、家具や建材から大量のVOCが放出されることがありますが、ベイクアウトによってその量を大幅に減らすことが可能となります。ただし、ベイクアウトは家具や建材の種類によっては適さない場合もあるため注意が必要です。例えば、高温に弱い素材や変形の恐れがある素材には、ベイクアウトは適していません。ベイクアウトを行う前に、事前に専門業者に相談することをおすすめします。
不動産投資用語

不動産投資の基礎知識:実質賃料とは?

不動産投資において、収益性を評価する上で重要な指標の一つに「実質賃料」があります。実質賃料とは、物件から得られる収入から、必要経費を差し引いた実際の収益のことを指します。言い換えれば、手元に残る純粋な利益と言えるでしょう。例えば、家賃収入が毎月10万円発生する物件があったとします。しかし、そこから管理費や修繕費、固定資産税などの費用が発生します。これらの費用を差し引いた結果、実際に手元に残る金額が7万円だった場合、実質賃料は7万円となります。
リフォーム

家づくりの基礎知識:柱の種類と役割

住まいを建てる時、なくてはならない構造の一つに、柱があります。柱は、家を支える重要な役割を担っており、まさに家の骨組みといえるでしょう。頑丈な柱があることで、地震や台風などの外力から家を守り、安全な暮らしを確保することができます。そのため、家の設計やリフォームにおいて、柱の位置や太さ、材質は重要な検討事項となります。柱は、家の重さを受け、それを基礎に伝える役割を担っています。柱が細すぎたり、数が少なかったりすると、家の重さに耐えきれずに、家が傾いたり、最悪の場合、倒壊してしまう可能性があります。また、柱の材質によっても、家の強度や耐久性が大きく変わってきます。一般的に、柱には木材や鉄骨などが使われます。木材は、加工しやすく、断熱性や調湿性に優れているというメリットがありますが、火災に弱いというデメリットもあります。一方、鉄骨は、火災に強く、強度が高いというメリットがありますが、錆びやすいというデメリットがあります。このように、柱は家の強度や耐久性を左右する重要な要素であるため、家の設計やリフォームの際には、専門家の意見を聞きながら、適切な柱を選ぶようにしましょう。