終活全般~生前整理~デジタル終活まで~

さて、これから終活を始めようと思うけど、まずは何から手をつければいいかわからない!という方のために、この順番で終活を行うといいのではないかと思うことを以下に列挙しましたのでご確認ください。

そもそも終活とは?

そもそも終活とは?

そもそも「終活」とはなんでしょう?

終活カウンセラー協会は終活を以下のように定義しています。

人生の終焉を考えることを通じて
”自分”を見つめ、”今”をよりよく、
自分らしく生きる活動

終活カウンセラー協会

どうしても言葉の頭に「終」がありますので、「終焉」のインパクトが強いのですが、協会の考えとしてはむしろ「 ”自分”を見つめ、”今”をよりよく、 自分らしく生きる 」部分に重きを置いています。

私もそう思います。今を大切に生きることに意味があると思います。そう考えると、終活を始めるにあたり、年齢は関係ありません。「まだそんな歳ではないから。。」と敬遠される方が確かにいるのですが、今をよりよく生きることに年齢は関係ありません。

特に新型コロナウイルスの影響で先行きが不透明な昨今、まずは自分自身の人生を振り返り、家族との絆を再確認し、自分を見つめる時間を作り、今をよりよく前向きに生きてみませんか。ご自宅にいる時間が長いこの時期、ぜひ終活に取り組んでみましょう。

終活を意識するとき

親や家族、親族の「死」に立ち会ったとき

親や家族、親族の「死」に立ち会ったとき、それが身近な存在であればあるほど、病気について、看取りについて、葬儀について、お墓について、相続についてなどを経験します。「人の死」を迎えるまで、そして迎えた後の様々な体験を通して、「終活」を意識していくと考えられます。私自身も20代で親族の死を経験し、また、東日本大震災のボランティアに参加したことにより、20代でありながら終活を強烈に意識しました。

自分や家族の健康に不安を感じたとき

「若い」「元気」と思っていても、「加齢」による変化を感じることが積み重なっていきます。身近な人の「死」の経験だけではなくだんだん自分や家族の体や健康に不安を感じていくことも「終活」を考えるきっかけになるでしょう。40代後半ぐらいから自分の身体の不調や不安を感じ始め、それをきっかけとして終活を考える人もいます。

定年が間近になったとき、定年を迎えたとき、生活スタイルの変化があったとき

定年を迎えるころには、子どもがいる場合は、子どもが仕事を始めたり、結婚や自立したりするようになり、家族の形態にも変化が訪れます。夫婦での生活や、一人暮らしになることもあるでしょう。

また最近では、子どもがいない、結婚を選択しない生き方や離婚・お別れも増えてきています。その場合でも、自分の生活の環境は変わってきます。毎日「働くこと」を繰り返すのが当たり前だったのに、それが無くなった時に、これからの生活について考えるようになります。

終活を学ぶ

終活を学ぶ

インターネット上にも書店にも、終活に関する情報や書籍にあふれています。しかし、人によって終活の悩みのポイントは異なりますので、実際に終活について相談できる人が見直にいるのが理想的ではあります。

また、街中で「終活セミナー」を開催している場合も多々ありますので、まずはそういったイベントに参加し、自分にとって必要な知識や情報を仕入れて、今後の終活戦略に役立ててください。

生前整理

生前整理とは、身の回りの片づけのことを言います。まずはこれから取り掛かりましょう。
不要なものは捨てる、または売る。必要なものはとっておく。
ただし、本当に必要かどうか、使えるけど使わないだけなのかどうかの判断は自分では難しい場合もあるので、ご家族の方と一緒に生前整理をされると捗るかと思います。また、片づけは疲れているときは全然できません。疲れていない午前中に集中して行うのがベストかと思います。
終活は結局「勢い」が必要なのですが、生前整理は特に勢いが必要です。また、長期戦でもあるので持久力も必要です。一人で難しいと感じた場合はぜひご家族の方と一緒に生前整理を行いましょう。
その時に常に必要なものだけを置いておく「ミニマリスト」を目指して生前整理を行ってください。

写真整理

古いアルバムの処分は心理的に抵抗がありますよね。金銭的な価値はないにしても、昔の思い出そのものですので、それを思い切って処分する気にはなかなかなれません。ただ、アルバム自体が非常にかさばるのでそれをそのままにするわけにもいきません。そこで行うべきこととしては「写真整理」です。写真整理とは、昔の写真をスキャンしてデジタルデータとして保存し、いつでも見れる状態にすることです。下記のエンディングノートと同時進行で行うと効率がいいでしょう。

エンディングノート

エンディングノートとは、自分自身の人生の棚卸です。今まで歩みし人生を振り返り、後世に残すべきものを自分のために記録するものです。過去の記憶が鮮明なうちに、自分の人生と向き合うきっかけになるのではないでしょうか?書き出すことで、こんなこともあった、あんなこともあったと振り返るいいきっかけになります。

ではなぜ、自分の思いをまとめておく必要があるのか。それは

  • 大切な家族に迷惑をかけないために
  • 自分の医療、介護、死などについて自分の思いを知ってもらうために

などがあげられます。
あなたが「人生の終わり」を迎えるまでには、様々な事柄が起こります。あなたの思いが伝わっていれば、家族は悩んだり、後悔したり、争ったりしないで済むこともあります。自分はいつまでも大丈夫だと思っていても、人生は何が起こるかわかりません。あなたの思いを伝えたくても伝えられない場合(事故、病気など)だってあるのです。そのため、エンディングノートに自分の思いを書くことは非常に大事であると言えます。

葬儀会社とお墓

自分自身の葬儀会社を選ぶことは正しく抵抗がある方も多いかもしれませんが、多くのエンディングノートの場合、こういった自分自身の葬儀会社について記す項目があります。それだけ、この項目は大事な意味を持ちます。
葬儀の費用は非常に高額なため、生前に貯蓄や保険の活用などを考えておくことが大切です。具体的には、葬儀のプランの選定や、費用の見積もりを行い、保険の活用方法などを検討することが必要です。


葬儀会社を選ぶにあたっては、以下のチェック項目を参考にしてください。

  1. 古くからお寺・葬儀社を利用しているところがあるか?
  2. 以前に利用したことがあるか?
  3. 互助会などを利用しているか?
  4. 近所で葬儀会社があるので見学に行ったことがるか?

上記に加え、自分のお墓についても検討する必要があります。
自分自身のお墓を持っていない場合は、購入を検討する必要があります。また、既にお墓を持っている場合でも、管理やメンテナンスにかかる費用を見直すことが大切です。

医療と介護

自分の病気について告知をしてほしい、治療はここまで、など自分の思いをまとめておくことは必要です。エンディングノートに書いてあれば、家族はあなたの思いを実行することができます。さらに入院には連帯保証人、身元引受人などが必要になります。同居家族がいる場合はすぐに頼めると思いますが、いない場合については事前に依頼をしておくと良いでしょう。

また、介護が必要な状態になった時に、まず取り組むことは介護認定を受けることです。介護申請の手順としては、

  • 市町村の担当窓口または地域包括支援センターへ要介護認定の申請
  • 主治医の意見書
  • 訪問調査
  • 要介護度の決定
  • 認定結果の通知(自立、要支援1,2、要介護1,2,3,4,5)

となり、結果が報告されます。
結果と介護の状態を踏まえて家族は、自宅で介護するのか、老人ホームを選ぶのかなどを考えなければなりません。介護が必要となる前に、自分でまたは家族と一緒に近くの介護施設などの見学をしたり、自分が入っても良いと思う施設を決めておくなどをしておくと、必要な時に必要な行動がとれるようになります。

遺言書

遺言書を書くとなると生きているうちに書くなんて縁起が悪いと思われがちですが、それは「遺書」の間違いです。遺言書については、今では自分の死後こうしてほしいときちんと伝えていける方も多くなってきています。

ただ遺言書には書き方などの法律上の細かいルールがあるので注意点は多いです。この辺は書き方にも自筆証明遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言があります。法律上不備のない遺言書を残すには公正証書遺言書を手続きをして書いてもらう方が良いでしょう。また、自筆証書遺言の法務局保管制度もあります。

相続財産の整理

遺言書を作成するにあたり、相続財産を確定する必要があります。相続財産は主に「不動産」と「預貯金」に分けられます。

不動産に関して言えば、現在住んでいる家をどうするか、誰に相続させるか、させないのかを考える必要があります。

預貯金は、正の遺産と負の遺産に分けられます。貯蓄がたくさんあればその分相続人に残せますが、借金などがあると家族に借金が行く場合があります。相続することで貯蓄も借金も相続することになってしまいます。その為、今自分がいくらあるのか、相続した場合に家族に負担がかかるのかなどを調べておく必要があります。

相続人の整理

自分の相続財産を相続する人は誰になるのかを特定します。それによって遺言書の書く内容が大きく変わる場合があります。特に結婚や離婚を繰り返し、相続人が複数に渡る場合や、相続人同士の仲が悪い場合は、必ず遺言書を書かなければなりません。

これをしなかったがために自分の死後、自分の財産めぐって相続人同士が争うという事態を想像してみてください。「自分には関係ない」というのは、遺された相続人に対して失礼だと思いませんか?

デジタル終活

現代においてはインターネットの普及に伴い、パソコンやスマホ・携帯電話が不可欠です。そこで最近、パソコンやスマホに保存されたデータ(=デジタル遺品)に関する問題が取り上げられるようになりました。 特にスマホは、「スマホ決済」が普及し、取引履歴や自動引き落としなどの契約情報がスマホに集約され、取扱注意です。 日本の法律はデジタル機器(パソコンやスマホ・携帯電話)が存在しない時代に作られたものが多い為、デジタル機器及びデジタル終活に関する法整備が整っていないのが現状です。 デジタル遺品はモノとして目に触れない為、総量がつかみにくく、整理が後回しになりがちです。だからこそ自分のことは自分でやらなければならないのです。 以下にデジタル終活の必要性を説いた質問を列挙しましたのでご確認ください。

  • あなたのご家族・パートナーは、あなたのPCやスマホのパスワードを知っていますか?
  • あなたのご家族・パートナーが把握していないデジタル機器やデジタル遺品(FXや仮想通貨など)はありますか?
  • あなたは、PC・スマホの中に見られたくないものはありますか?
  • あなたの死後、あなたのご家族・パートナーは、あなたのPCやスマホの処理に困ると思いますか?

パソコンやスマホのIDやパスワードをエンディングノートに記載するケースが増えています。遺族にとっては、目の前の遺品のパソコンやスマホのパスコードが解除できない限り、その中を見ることはできません。ネットバンクや暗号資産、クレジットカード情報などのデジタル遺品がデバイスの中に残されている可能性もあります。デジタル終活は自己完結ではなく、残された人が容易にアクセスできるように道筋を整備するところまでやらなければなりません。

デジタル終活のポイント

まずはデジタル機器スマホやパソコン内の中身の見える化をしてみましょう。自分が使っているスマホやパソコン内を見て確認してみましょう。

  • 写真や画像データーなどの見直し
  • 電子メール(メールアドレスの整理・管理)
  • SNSなどのアカウント
  • ショッピングサイトなどの整理(メルカリ・Amazon・楽天などのアカウント等)
  • ゲームや動画配信サービスなどの登録やアカウントの整理
  • 金融関係のスマホやパソコンなどでの利用(銀行・株・仮想通貨・FX/電子マネー等)
  • ポイントなどのショップ系のサイト登録状況

など、現在登録している状況の一覧を作ってみましょう。おすすめするのはエクセルなどでアカウント名やメールアドレスやパスワードなどをまとめてみることをお勧めします。一覧を作ることによって整理もしやすく、料金がかかっているものなら節約などにもつながります。その中で、使ってないけど残っているものや頻繁に使用しているものなどが区別出来たら不要なものは退会しておきましょう。

デジタル遺品トラブルを避けるコツとして、 必要最小限のデジタル資産情報のメモを紙に記して、預金通帳や実印などと一緒に保管しておくこと。 そしてその紙を、大みそかや誕生日などの記念日に(1年に1回のペースで)更新することです。 メモは一度作成したら終わりではなく、定期的に更新・修正するようにしてください。その際、IDやパスワードなどのデジタル資産情報は非常に機密性の高い内容となりますので、保管・管理は厳重に行うようにしてください。

やるべきことやった人のためのセカンドライフ

やるべきことやった人のためのセカンドライフ

生前整理から遺言書まで、一通りの終活を終えたら、ぜひともセカンドライフを楽しんでください。一般的にシニアのセカンドライフの楽しみ方としては以下のようなものがあげられます。

  • 旅行/カメラ
  • 資格の取得/読書
  • 自分史の作成
  • ウオーキング/適度な運動
  • ゲーム
  • カラオケ
  • DIY
  • 地域活動/ボランティア
  • 何らかの講師活動
  • その他興味の赴くもの/自分の成長が感じられること

認知症対策としても毎日誰かと話す・適度な運動する・頭の体操をする・食生活や健康に気をつけるといったことは大事なことであると言えます。

終活まとめ

いかがだったでしょうか。基本的に終活は健康なうちでしかできません。終活をしよう!という気になったときにすぐにでも始めるべきです。決して死ぬ間際にすることではありません。セカンドライフを楽しむのは、終活を完全に終えてからでいいのです。それなのに、先にセカンドライフを満喫してしまい、終活がおざなりになり、結果として本人も相続人も苦労するケースが多いのです。
終活を早く始めて後悔する人はいません。しかし、「早く始めておけばよかった」と後悔する人は多々います。あなたはどちらですか?

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