書店に行くと、様々なエンディングノートが販売されていますが、そもそもエンディングノートとは?どんな目的で書くものですか?書き始めていくとなかなか進んでいかないし、めんどうくさいと辞めてしまうこともないですか?
ここでは、エンディングノートの目的と記入すべき項目についてまとめました。
エンディングノートとはなにか?その重要性と役割について
エンディングノートとは、「将来自分に万一のことがあった時に備えて、自分の歴史や自分の思い、そして家族やまわりの人に伝えたいことを記入しておくノート」のことです。具体的には、自分の財産や保険の情報、遺産分割の希望、葬儀の希望、遺品の処分方法、ペットの世話、大切な人へのメッセージなどを記録しておくことができます。
エンディングノートの重要性は、遺された家族や相続人が、自分が残したものや意思を正確に把握できることにあります。遺言や遺産分割の希望が明確になっていれば、相続トラブルを未然に防ぐことができます。
また、自分が生前にどのような葬儀を希望していたか、遺品の処分方法やペットの世話をどうしたいかなど、遺された家族や友人が悩まなくて済むようになるため、大きな負担を軽減することができるので書いて残しておくことをお勧めします。
さらに、エンディングノートは、自分が人生で大切にしてきたことや、家族や友人に伝えたいメッセージを残すことができて、遺された人たちが自分を思い出すための貴重な手がかりになるでしょう。
しかし、エンディングノートを作ることは、多くの人にとって面倒な作業と感じられることもあります。特に、書いているときに自分の死後のことを考えること自体が嫌だと感じてしまう場合もあるようです。そんなときは、エンディングノートの作成を楽しく、かつ簡単にする方法を見つけることが重要です。
例えば、少しずつ時間をかけて書き進める方法や、パソコンやスマートフォンのアプリを利用する方法などがあります。
また、エンディングノートのテンプレートを活用することで、どのような情報を書くべきか分かりやすくなるため、作成の手間を減らすことができます。
エンディングノートは、自分が残したい意思を明確にし、遺された人たちに負担をかけずに済むようにするための大切なツールです。
最低限書いておいた方がいい項目
- 個人情報(自分自身や身の回りのこと)
- 医療、介護についての希望
- 葬儀、お墓についての希望
- 相続、財産、生命保険などの情報、遺品について
- 連絡先(伝えてほしい人など)
- 大切な人へのメッセージ
◆過去の自分の人生の棚卸
生い立ちから現在に至るまで、今まで自分の歩みし道を振り返ります。
◆現状把握
忘備録として今現在のことも書きます。
◆未来について
介護やお墓などの希望や、これからやりたいことを書きます。「やるべきこと」と「やりたいこと」は異なります。あくまで自分がこれからやってみたいことを書きます。
◆デジタル終活
IDやパスワードなど、デジタル機器で使用される情報を記入します。
エンディングノートを書くタイミング
エンディングノートは、死ぬ間際に書くものではありません。
たとえば家族の死や病気などを経験して、『終活』を意識すると、自分の「死を迎える準備」を考えるようになります。書き始める年代はいつからでもよいのです。でも、できれば自分の思いを表現できるとき、50代から60代までには書いておいても決して早いものではありません。
自分史を書くつもりで記載するのも良いと思います。実際、書くことによって、自分の生きてきたれ式を思い起こし、自分の思いも整理され、これからの生き方や過ごし方を前向きに、そして安心して過ごせるようになるでしょう。
エンディングノートの注意点
- 自分のために書く
- 保管場所を決め、それを共有する相手も決める
- どこから書いてもOK
- 全部書かなくてもOK
- 枠外を使ってもOK
- 記入内容の変更もOK(但し更新日付は必須)
「まずは書いてみる」「とりあえず書いてみる」という気持ちが一番大事です。「買ったのに書いていない」「少ししか書いていない」「書いたらそのまま」という方が結構多いのではないのでしょうか。ご自宅にいる時間が長い今だからこそできることがあります。まずはエンディングノートを書いてみましょう。一番簡単にエンディングノートをまとめるには少しづつメモ感覚でまとめることです。
写真整理とは?
終活について最も関心が集まる分野が「不用品の処分」です。そのうち、遺族が処理に困る遺品の第1位が「写真」です。当然です。写真には金銭的価値は基本的にないので現金化することはほぼできません。では、処分すればいいかと思いきや、何より思い入れが強いものです。そう簡単に処分できるような代物でもありません。このように、意外と苦労する「写真整理」はどのようにしたらいいのでしょうか。
紙焼き写真とデジタル写真
まず写真には2通りあります。「紙焼き写真」と「デジタル写真」です。「紙焼き写真」とは、フィルムカメラで撮影したものを現像してできた写真のことです。それに対して「デジタル写真」とは、デジタルカメラやスマホで撮影した写真のことです。
大まかな流れとしては、まず紙焼き写真をデータ化してデジタル写真にし、元々あったデジタル写真と統合し、分類をします。一般的に紙焼き写真は昔の写真が多く、デジカメが普及し始めた約20年ぐらい前あたりの写真から徐々にデジタル写真が増えてきた、というケースがよく考えられます。いわゆる「紙焼きとデジタルの境界線」が、約20年ほど前のデジカメの出現による写真の保管方法の変化であるといえるでしょう。
写真整理の流れ
1:棚卸し
まずは写真の総量が紙焼き写真・デジタル写真合計でどれぐらいあるのかを把握します。
2:方針検討・前準備
例えばいつまでに、誰が何を行うのか、期限や役割を決めます。また、どのように仕分けをするのか、仕分けをした後はどのようにバックアップをするのかなどについて検討します。
3:仕分け
付箋や輪ゴム、封筒などを駆使して仕分けをします。途中、ピンボケしている写真や同じような写真などは処分していきます。この仕訳の段階で「あら懐かしい。」と、途中で中断してしまうことが往々にあります。それをどの程度許容するのかも、前準備の段階で決めておきましょう。ある程度中断するのは致し方ないこととして、どの程度中断していいのか、「これ以上は中断しない」という線引きをしましょう。
4:デジタル化
スキャナーを使用して紙焼き写真をデータ化します。この作業のみ業者に依頼するケースも考えられます。
5:保存
データ化した写真も、紙焼き写真と同様に仕分けをします。仕分けをした上でバックアップを行います。その上でバックアップした写真を見返すことができる形にします。また、デジタル化した後の紙焼き写真やアルバムの処理についても具体的に決めましょう。
写真整理のポイント
- 自分が思っている以上に長期戦になります。地道にコツコツと、そして方針をじっくり練ってから作業に取り掛かりましょう。
- エンディングノートを組み合わせると、写真整理がはかどります。写真整理とは自分を振り返る作業そのものなので、まだエンディングノートを書いていない方は、一緒にエンディングノートを書いてみるといいでしょう。
- エターナルフォト(遺影)に使えそうな写真があれば、エンディングノートにはさんでおきましょう。