不動産共有の落とし穴?共有名義のメリット・デメリット
投資初心者
先生、共有名義について教えてください。一つの不動産を複数人で所有するってどういうことですか?
投資研究者
いい質問ですね!例えば、マンションの一室を夫婦で一緒に買ったとします。これは夫婦それぞれがマンションの持ち分を持っている、つまり共有名義で所有しているということになります。他にも親子や兄弟、他人同士でも共有名義を持つことは可能です。
投資初心者
なるほど。自分の持分だけ売ったり、ローンを組んだりできるのは便利ですね!
投資研究者
確かに便利ですが、注意も必要です。例えば、自分の持分だけを売却する場合、共有者の合意は不要ですが、買い手が見つかりにくく、査定額が低くなる可能性があります。共有名義にする場合は、メリット・デメリットをよく理解しておくことが大切ですよ。
共有名義とは。
「共有名義」とは、一つの不動産を複数人で所有することを指す不動産投資用語です。夫婦、親子、兄弟姉妹、他人など、誰と共有するかにより分類されます。共有名義のメリットは、自分の持分だけを売却したり、担保に設定して融資を受けたりできる自由度の高さにあります。共有者への通知や同意は不要です。ただし、売却時に査定額が大きく減額される可能性もあり、注意が必要です。共有名義を解消するには、自身の持分を売却する、全員が売却する、または共有者間で売買するなどの方法があります。
共有名義とは?4つのケースを紹介
夫婦や親子など、複数人で不動産を所有する場合、「共有名義」を選択肢に入れることがあります。これは、不動産の所有権を複数人で分割して持つことを指します。しかし、共有名義にはメリットだけでなく、特有のデメリットも存在します。
共有名義となるケースは主に以下の4つです。
1. 夫婦で購入する場合結婚後の住居を共有名義にするケースです。
2. 親子で購入する場合親が資金援助を行い、親子で共有する場合です。
3. 兄弟姉妹で購入する場合相続した実家を共有する場合などが考えられます。
4. 友人と共同購入する場合投資目的で不動産を共同購入するケースも増えています。
それぞれのケースによって、メリット・デメリットは異なります。共有名義を選択する際は、自身の状況に合致しているか、発生しうるリスクを理解した上で、慎重に判断する必要があります。
共有名義のメリット:自分の持分を自由に扱える
共有名義の不動産は、自分の持分について自由に処分できるというメリットがあります。例えば、自分が所有する持分を売却したり、誰かに贈与したり、あるいは担保に設定することも可能です。これは、単独所有の場合と同様の自由度を持っていると言えるでしょう。ただし、共有者全員の同意が必要な場合もありますので注意が必要です。
共有名義のデメリット:査定額が低くなることも
共有名義にすることで、売却時に査定額が低くなる可能性があります。不動産は、需要と供給の関係で価格が決まります。共有名義の物件は、共有者全員の同意を得る必要があり、売却手続きが複雑になるため、購入をためらう人がいるかもしれません。そのため、需要が減少し、結果として査定額が低くなる可能性があります。
共有名義を解消するには?
共有名義を解消する主な方法は、「共有者全員で合意の上、売却する」「いずれかの共有者が、他の共有者の持ち分をすべて取得する」「遺産分割協議や調停、審判などにより、共有名義を解消する」の3つです。
共有者間で合意が取れれば、不動産を売却し、その売却代金を共有者間で分割する方法が最もシンプルです。ただし、共有者の中に売却に反対する人がいる場合、合意形成が難航する可能性があります。
共有者の一人が、他の共有者の持ち分をすべて買い取る方法もあります。この場合、不動産の評価額が大きくなり、資金調達が課題となることがあります。
遺産相続などで共有名義となった場合、遺産分割協議によって共有名義を解消することができます。ただし、相続人間で意見がまとまらない場合は、家庭裁判所に調停や審判を申し立てる必要があり、時間と費用がかかる可能性があります。
不動産投資における共有名義は慎重に
不動産投資において、複数人で共同出資し、所有権を共有する「共有名義」を選択するケースがあります。これは、高額な物件への投資を可能にする、あるいはリスク分散になると考えられるからです。しかし、共有名義にはメリットだけでなく、想定外のトラブルに発展する可能性も秘めていることを忘れてはなりません。
共有者間で収益分配や管理方法について事前にしっかりと取り決め、書面に残しておくことが重要です。また、共有者の一人が資金繰りに困り、自分の持分を売却したいと言い出した場合、他の共有者の同意が必要となるなど、流動性の低さも考慮しなければなりません。
不動産投資における共有名義は、信頼できるパートナーと慎重に進めるべき選択と言えるでしょう。