事業用定期借地権を徹底解説！
投資初心者
先生、事業用定期借地権って普通の定期借地権と何が違うんですか？
投資研究者
良い質問だね！事業用定期借地権は、その名の通り、事業用の建物に限定された定期借地権なんだ。例えば、工場やオフィスビルを建てる場合に利用されることが多いんだよ。
投資初心者
なるほど！事業用ってことは、住宅を建てる場合は使えないんですか？
投資研究者
その通り！住宅を建てる場合は、定期借地権を使うことになるよ。事業用定期借地権は、あくまで事業用の建物に限定されているんだ。
事業用定期借地権とは。
「事業用定期借地権」とは、事業用の建物を所有する目的で土地を借りる権利である「定期借地権」の一種です。従来は契約期間が10年以上20年以下でしたが、2008年1月1日の借地借家法改正により、10年以上50年未満に延長されました。
事業用定期借地権の特徴は、契約期間の満了をもって更地が返還される点にあります。契約更新や建物買取請求権の発生、建物の建て替えによる契約期間延長といった従来の借地権にあった権利は認められていません。
契約期間が10年以上30年未満の場合は、これらの特約を必ず設ける必要があります。一方、30年以上50年未満の場合は、これらの特約を設けるかどうかは任意となります。また、契約は公正証書によって締結する必要があります。
つまり、事業用建物を所有するために土地を借りる場合、契約期間の長さによって、従来の借地権にするか、事業用定期借地権にするかを選択できるようになっています。
事業用定期借地権とは？
事業用定期借地権とは、事業を行う土地を借りたい企業と、土地を貸したい地主との間で締結される、期間が確定した借地権のことです。
従来の借地権と比べて、契約期間が満了すると、更地にして地主に返還する義務があります。
そのため、地主は土地の使い道を長期的に計画しやすくなるというメリットがあります。
契約期間と更新について
事業用定期借地権において、契約期間と更新に関するルールは、一般の借地権とは大きく異なる重要なポイントです。
まず、事業用定期借地権の契約期間は、原則として自由に定めることができます。これは、事業計画に合わせて土地利用をしたいという事業者側のニーズに応えるためのものです。最短期間や最長期間に制限はなく、10年、20年、あるいはそれ以上の長期契約も可能です。
そして、更新に関する規定も一般の借地権とは全く異なります。事業用定期借地権には、借地借家法による法定更新の制度は適用されません。 つまり、契約期間が満了すれば、原則として更借の請求をすることはできず、更地にして土地を返還する義務が生じます。ただし、契約締結時に更新に関する特約を設けることは可能です。例えば、一定の条件を満たせば更新できるという合意をしておくこともできます。
契約期間と更新に関するルールは、事業計画に大きな影響を与えるため、契約前にしっかりと内容を確認しておくことが重要です。
契約終了時の注意点
事業用定期借地契約は、その性質上、契約期間の満了をもって更地にして土地を返還することが原則となります。これは、契約期間中に建物を建てて事業を行っていた借地人にとって、大きな負担となる可能性があります。
まず、建物の解体費用や廃材処理費用などは、全て借地人が負担しなければなりません。また、更地に戻すための整地費用も必要となります。さらに、移転先を確保する必要もあり、そのための費用や手間も考慮しなければなりません。
契約終了間際になって慌てることのないよう、契約締結時に契約期間満了後の土地の返還方法や費用負担について、貸し手と十分に話し合い、契約書に明確に記載しておくことが重要です。
メリット・デメリット
事業用定期借地権は、従来の借地権と比べて、事業者にとってメリットとデメリットがはっきりと分かれています。契約前に両者を理解しておくことが重要です。
事業者にとって大きなメリットは、自由に土地利用計画を立てられる点です。契約期間が終了すれば更地で返還されるため、土地の有効活用を図りやすいという特徴があります。また、従来の借地権よりも賃料が低く設定される傾向も魅力です。
一方で、契約期間満了時に更地で返還する義務がある点はデメリットと言えるでしょう。建物を解体する費用も借主側の負担となるため、注意が必要です。また、契約期間が満了すると更新ができず、立ち退かなければならないという点も理解しておく必要があります。
このように、事業用定期借地権にはメリットとデメリットが存在します。事業計画や資金計画などを考慮した上で、慎重に導入を検討する必要があります。
事業用定期借地権の活用事例
事業用定期借地権は、その名の通り事業用途に特化した借地権であるため、様々なビジネスシーンで活用されています。
例えば、駐車場経営はその代表例です。土地オーナーにとっては、遊休地を活用して安定収入を得られるメリットがあり、事業者にとっては、まとまった駐車スペースを比較的低コストで確保できるメリットがあります。
また、コンビニやドラッグストアなどのロードサイド店舗も、事業用定期借地権が多く利用されるケースです。短期間で集中的に出店したい企業にとって、土地の購入よりも初期費用を抑えられ、契約期間も明確であるため、事業計画を立てやすいという利点があります。
さらに、近年では、太陽光発電事業における活用も増えています。広大な土地に太陽光パネルを設置する場合、事業用定期借地権を利用することで、長期にわたる土地の確保が可能となり、安定的な事業運営を実現できます。
このように、事業用定期借地権は、土地オーナーと事業者の双方にとってメリットのある制度と言えるでしょう。