和室の顔、織部板とその役割

和室の顔、織部板とその役割

リフォームについて知りたい

先生、「織部板」って床の間にある板のことですよね?どんな板なのか、よくわからないんです。

リフォーム専門家

そうだね。「織部板」は床の間の正面、少し上のあたりに横に細長く張ってある板のことだよ。幅はだいたい24cmくらいで、木目がまっすぐ通っている板を使うことが多いんだ。

リフォームについて知りたい

24cmくらいだと、そんなに大きくないですね。何のために、そこに板があるんですか?

リフォーム専門家

もともとは、掛け軸を掛けたり、花を生けたりする時に、その重みで壁が傷まないように補強する意味があったんだ。最近は、飾り棚を置いたり、全く何も置かずに、床の間のアクセントとしてそのままにしている場合もあるよ。

織部板とは。

「織部板」という言葉は、家の改修でよく使われます。これは床の間の正面、少し上のあたりに貼ってある、幅がだいたい24cmほどの板のことです。木目がまっすぐ通っている板を使います。この板に釘を打って花瓶などをかけることもありますが、床の間に必ずこの板があるとは限りません。

床の間の構成要素

床の間の構成要素

日本の住居に欠かせないものとして、和室が挙げられます。その和室においても、特に重要な場所とされているのが床の間です。床の間は、お客様をお迎えする特別な空間として、家の格式や住む人の美的感覚を表す場所として、古くから大切にされてきました。床の間には、掛け軸や生花、香炉などが飾られ、季節の変化を感じさせる演出が施されます。 また、床の間の構成要素の一つに「織部板」があります。

織部板とは、床の間の床板の一部に用いられる、少し高くなった板のことです。床の間の正面奥に位置し、その上には花瓶や置物などを飾ることが多いです。織部板は、単なる高低差を生み出すためだけでなく、床の間に奥行き感を与え、空間により立体的な広がりを持たせる効果も持っています。

さらに、織部板に使われる木材は、床柱や床框と同じく、上質な木材が選ばれることが多く、その木目や色合いによって、床の間に重厚感や華やかさを加えることができます。 織部板は、床の間の構成要素として重要な役割を果たすとともに、和室全体の雰囲気を大きく左右する要素の一つと言えるでしょう。

項目説明
床の間
  • お客様をお迎えする特別な空間
  • 家の格式や住む人の美的感覚を表す場所
  • 掛け軸や生花、香炉などを飾り、季節の変化を感じさせる演出を施す
織部板
  • 床の間の床板の一部に用いられる、少し高くなった板
  • 床の間の正面奥に位置し、花瓶や置物を飾る
  • 床の間に奥行き感を与え、空間により立体的な広がりを持たせる効果
  • 上質な木材が用いられ、木目や色合いによって重厚感や華やかさを加える
  • 床の間の構成要素として重要な役割を果たし、和室全体の雰囲気を左右する

織部板の位置と特徴

織部板の位置と特徴

床の間は、日本の伝統的な和室に設けられた、格式の高い空間です。床の間には、掛軸や花瓶などを飾り、その部屋の格式を高める役割を担っています。

床の間の中でも、ひときわ目を引くのが「織部板」です。織部板は、床の間の正面、上部の廻り子と呼ばれる横木のすぐ下に設置される、幅約24cmほどの板です。

織部板には、柾目板と呼ばれる、木材の年輪に対して垂直に切り出した板が使用されます。柾目板は、木目が通っていて美しく、反りや割れが起こりにくいという特徴があります。そのため、織部板にも、檜や杉などの高級な木材が使われることが多く、床の間に風格を与えています。

織部板は、単なる装飾ではなく、床の間の空間を引き締める役割も担っています。床の間の上部に位置することで、空間にメリハリを与え、掛軸や花瓶などの美しさをより一層際立たせる効果があります。

このように、織部板は、床の間の格式を高め、空間を引き締めるために、重要な役割を果たしているのです。

要素説明
床の間日本の伝統的な和室に設けられた格式の高い空間。掛軸や花瓶などを飾り、部屋の格式を高める。
織部板床の間の正面、上部の廻り子と呼ばれる横木のすぐ下に設置される幅約24cmほどの板。柾目板(木材の年輪に対して垂直に切り出した板)が使用され、檜や杉などの高級な木材が使われることが多い。
織部板の役割– 床の間の空間を引き締め、メリハリを与える。
– 掛軸や花瓶などの美しさをより一層際立たせる。

織部板の役割と注意点

織部板の役割と注意点

織部板は、和室の壁に設けられた化粧用の横板で、空間を引き締めるアクセントとして decorative な役割を担っています。しかし、その役割は装飾だけに留まりません。

織部板は、季節の移り変わりを楽しむための掛け軸や、風情ある置物を飾る際にも重要な役割を果たします。例えば、お気に入りの掛け軸を飾りたい場合、織部板に釘を打って掛けることができます。これは、壁に直接釘を打つよりも、壁へのダメージを抑えながら美しい空間を保つための工夫と言えます。

ただし、織部板に釘を打つ際には注意が必要です。板の材質や厚さによっては、釘がしっかりと固定されない場合や、板が割れてしまう可能性もあるからです。そのため、事前に材質や厚さを確認し、必要であれば下穴を開けるなどの対策を講じることが大切です。

また、近年では和室の様式も多様化しており、部屋によっては織部板が設置されていないケースも増えています。このような場合、壁に直接釘を打つことは避け、専用のフックやスタンドを使用するなど、壁に傷をつけずに飾る方法を検討する必要があります。

このように、織部板は美観と実用性を兼ね備えた存在です。その特性を理解し、適切な使い方をすることで、和室の空間をより一層美しく、そして快適に保つことができるでしょう。

項目内容
役割– 空間を引き締めるアクセント
– 掛け軸や置物を飾る
メリット– 壁へのダメージを抑え、美しい空間を保つ
注意点– 材質や厚さによっては釘が固定されない、板が割れる可能性がある
– 事前に材質や厚さを確認し、必要であれば下穴を開ける
織部板がない場合の対処法– 壁に直接釘を打たずに、専用のフックやスタンドを使用する

織部板の由来

織部板の由来

– 織部板の由来織部板という名前は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した人物、古田織部に由来するとされています。古田織部は、茶人としても武将としても名を馳せた人物です。 今日でも多くの人に愛される茶道の流派、「織部流」を創始したことでも知られています。そんな彼が、自身の邸宅の床の間にこの特徴的な板を取り付けたことから、「織部板」と呼ばれるようになったと言われています。 古田織部は、斬新なデザインの茶碗を数多く生み出したことでも有名です。伝統的な様式にとらわれない、自由で大胆な作風は、「ひび」や「ゆがみ」さえも美として捉えるものでした。彼の革新的な美意識は、茶碗だけでなく、建築や庭園など、様々な分野に影響を与えました。そして、その美意識は、現代においても高く評価されています。織部板に見られる独特の風合いは、古田織部の美意識を今に伝える貴重な存在と言えるでしょう。時を経てもなお、人々を魅了するその姿は、古田織部の美への飽くなき探求心を物語っているかのようです。

項目内容
名称織部板
由来安土桃山時代~江戸時代初期の茶人・武将である古田織部が、自身の邸宅の床の間に用いたことに由来
織部板の特徴独特の風合いを持つ
古田織部の美意識伝統にとらわれない自由で大胆な作風
「ひび」や「ゆがみ」さえも美として捉える
古田織部の影響茶碗、建築、庭園など様々な分野に影響を与えた

まとめ

まとめ

– まとめ

日本の住宅において、床の間は単なる空間の一つではなく、客人を招き入れる特別な場所として、また、美術品や書を飾り、季節の移ろいを表現するなど、日本の美意識を象徴する場として大切にされてきました。

床の間の構成要素の一つである織部板は、その独特な緑色の釉薬と大胆な模様で、床の間全体を引き締め、空間により深みと風格を与えます。床柱や床框といった他の要素と調和しながら、織部板は床の間の美しさをより一層際立たせる役割を担っています。

床の間と織部板は、日本の伝統的な建築様式と美意識を理解する上で欠かせない要素と言えるでしょう。その歴史や文化的背景、そして、素材やデザインに込められた職人たちの技とこだわりを知ることで、私たちは日本の伝統文化への理解を深め、より豊かな感性を育むことができるのではないでしょうか。

要素説明
床の間– 客人を招き入れる特別な場所
– 美術品や書を飾り、季節の移ろいを表現する
– 日本の美意識を象徴する場
織部板– 床の間の構成要素の一つ
– 独特な緑色の釉薬と大胆な模様が特徴
– 床の間全体を引き締め、深みと風格を与える
– 床柱や床框と調和し、床の間の美しさを際立たせる
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