不動産投資の現地決済方式とは？メリット・デメリットを解説

不動産初心者

先生、「現地決済方式」って何か教えてください。

たまちゃん

海外の証券を買うときに、日本の銀行を通さずに、現地の証券会社と直接取引する方法だよ。例えば、アメリカ株を買うときに、アメリカの証券会社と直接売買契約を結ぶイメージだね。

不動産初心者

なるほど。でも、どうしてそんな方法を使うんですか？

たまちゃん

日本の銀行を通すと、手数料がかかる場合があるけど、現地決済方式だと手数料が安く済むことが多いんだ。それに、取引がスピーディーなのもメリットの一つだよ。

現地決済方式の定義

不動産投資における取引では、一般的に売買契約締結時に手付金を支払い、後日、残代金決済と物件の引渡しを同時に行います。この残代金決済と物件の引渡しを行う場所によって、「現地決済方式」と「決済代行方式」の二つに分けられます。

現地決済方式とは、その名の通り、物件が所在する現地で残代金決済と物件の引渡しを同時に行う方法を指します。例えば、東京都内のマンションを購入する場合、売主と買主、またはそれぞれの代理人が東京の物件所在地に集まり、残代金の支払いおよび物件の鍵の受け渡しなどを行います。

メリット：コスト削減と取引の迅速化

現地決済方式は、従来の決済方法と比べて、コスト削減と取引の迅速化という2つの大きなメリットがあります。

まず、仲介手数料についてですが、現地決済では、買主と売主が直接取引を行うため、仲介会社を介する必要がなくなり、仲介手数料を大幅に削減することができます。仲介手数料は物件価格の3％＋6万円（税別）が上限とされており、高額になりがちです。現地決済では、このコストを削減できるため、投資効率を大きく向上させることができます。

また、現地決済は、取引に関わる人員や手続きが簡素化されるため、契約から決済までの期間を大幅に短縮することができます。従来の決済方法では、銀行や司法書士などの関係者との調整が必要で、時間がかかってしまうことが課題でした。現地決済では、これらの手間を省くことができるため、迅速な取引を実現できます。

このように、現地決済方式は、コスト削減と取引の迅速化という点で、不動産投資家にとって大きなメリットがあります。

デメリット：為替リスクと管理の複雑さ

現地決済方式の最大のデメリットは、為替変動リスクが挙げられます。契約時と決済時の為替レートが変動することで、円高になった場合は割高で購入することになり、円安の場合は割安で購入することになります。特に、新興国通貨のように変動が大きい通貨の場合、大きな為替差損が発生するリスクも孕んでいます。
また、海外不動産投資の場合、管理の複雑さも無視できません。現地での不動産管理会社とのやり取りや、トラブル発生時の対応など、日本国内の不動産投資に比べて手間やコストがかかる可能性があります。さらに、法律や商習慣の違いから、予期せぬトラブルに巻き込まれる可能性も考慮する必要があります。

現地決済方式と預り証方式の比較

不動産売買における決済には、「現地決済」と「預り証方式」の二つがあります。それぞれの特徴を理解した上で、ご自身の状況に合った方法を選択することが大切です。

現地決済は、売主様と買主様が銀行に同席し、直接売買のやり取りを行う方法です。物件の確認や最終的な契約内容の確認などがその場で行えるため、安心感があります。また、売主様への支払いと物件の引渡しを同時に行うため、タイムラグが生じないのもメリットです。

一方、預り証方式は、司法書士や不動産会社などの第三者を介して決済を行う方法です。売主様と買主様が直接会わずに取引できるため、遠方からの投資や多忙な方に向いています。ただし、預り証発行手数料や仲介手数料などの費用が発生する場合があるので注意が必要です。

どちらの方法にもメリット・デメリットがあるため、安全性、費用、利便性などを総合的に考慮して選択しましょう。

不動産投資における現地決済方式の活用事例

現地決済方式は、主に海外不動産投資や地方都市への投資など、遠隔地への不動産投資において活用されるケースが多いです。

【事例1】 海外不動産投資の場合

例えば、日本の投資家がタイのリゾート地にコンドミニアムを購入する場合、現地決済方式が利用されます。
投資家は、日本の銀行口座からタイの指定口座へ購入代金を送金し、現地で売主と最終的な契約手続きを行います。

【事例2】 地方都市への投資の場合

東京都に住む投資家が、福岡市の区分マンションに投資する場合も考えられます。
投資家は、売買契約締結後、現地福岡市に赴き、残代金の支払いと物件の最終確認を行います。

このように、現地決済方式は、地理的な制約を克服し、より広範囲な投資機会を投資家にもたらすことが期待できます。